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File90 by Black,4 ページ49

【〜SIDE 神薙琳佳〜】

久しぶりに『宮野琉叶』の家に戻ってみた。尾行はいないと確認し、この家を見張っている人もいないと確認した上で家に入った。


「うわ、すごい件数ね」


家に入って最初に確認したのは携帯。机の下にある秘密の引き出しを調べるために鍵を差し込むと、中から赤と黒のヘッドフォンと携帯が出て来た。


「やっぱりヘッドフォンが無いと不安でしょうがないわ」


街中を歩く時は必ず付けていたのだが、つい最近この家に置いて来てしまったのだ。このヘッドフォンは左右で音の調節が出来るスグレモノ。一人で歩く時は付けておかないとね。



「さてと、この後どうしようか……」


そこまで考えて、ふと思い付いた。兄の学校に行こう、と。二人いる兄のうち、一にぃ……そう呼んでいた彼の通う透峡高校に行く事にした。兄の存在はきっと今でも残っている。もしかしたら、兄を知っている人がいるかもしれない。



「すみません、少し良いですか?」

「えーっと……どなた様ですか?」

「神薙琳佳と申します。神薙一の妹です」

「神薙……!?」

「君!」

「あ、はい」

「一の妹ちゃん?」

「そうですが」

「俺の名前は士手原海(シデハラカイ)。一の幼なじみだ」


士手原海……聞いた事のある名前。一にぃがシデと呼んでた人物ね。にしてもなんで一にぃの事は思い出せるのに、もう一人の……__お兄ちゃんの事は分からないのかしら。


「どうもこんにちは」

「で? 今日は何を?」

「兄の墓の場所と、兄がどんな人だったのかなぁ……と。この間までかなり忙しくて来れて無くて……」

「そうかそうか! でも一の事なら俺よりも降谷の方が良く知ってると思うぜ!」

「降谷?」

「おうよ! 降谷零ってんだ。零と一は兄弟みたいに仲良かったんだよ」

「その降谷さん、どこにいますか?」

「それが分かんねぇんだよなぁ……まぁ連絡来たら教えてやるよ。アド教えてくれね?」

「あ、はいどうぞ」


こうして、兄の友人の士手原海さんと連絡先を交換した。降谷零さんは分からないけど、まぁいずれ見つかるわよね。





─────────────────────────
【TOPIX】

さてさて、今回は重要なワードが出て来ましたね。

『降谷零』です! 何か関係がありそうですね……。

あ、それから!
・透峡高校
→怪盗のアナグラム
・士手原海
→カイ・シデンのパロディです!



主人公の過去はまだまだ謎ですが、今後もよろしくお願いします!

要事項【Notice of sequel】→←File89 by Black,3



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作者名:櫻咲翼遥 | 作成日時:2016年12月18日 15時

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