File48 私の名前 ページ4
【〜SIDE 神薙琳佳〜】
「それで？ 琉叶さん、急に呼び出してどうしたんですか？」
「今日は髪の毛と瞳が変わっているような……」
「ええ、まぁ」
毛利探偵事務所ビルの二階。普段みんなの居間となっている探偵事務所のソファには、五人が座っていた。私、宮野琉叶こと神薙琳佳、江戸川コナン君、毛利蘭ちゃん、毛利小五郎さん、そして阿笠博士。
今日、毛利探偵事務所に五人を集めたのは私。毛利さん達ともすっかり仲良くなり、今では蘭ちゃんやボウヤに呼ばれたり、ご飯も食べに行くほどになった。
そこで、ベルモットとの話で合意した、偽の人物、『宮野琉叶』が渡米する事について、ある程度は隠しながら話す事にしたのだ。
「実は、言いたい事があるのよ」
「はぁ……」
「僕気になる！」
「こんな時に言うのもなんだけど……私の本名は神薙琳佳です」
「へ？」
「どういう意味ですか？」
「『宮野琉叶』は、私が仕事上使用していた偽名です。でも、今度その偽名を日本で使う期間が終わったので、貴方達とも『神薙琳佳』として接する事が出来るようになったというわけです。私の仕事は残念ながら貴方達には言えません。偽名を使っていたのは、私が接触する事で危険を伴う可能性が有ったから、でもそれは解決したから、今度は本当の私として接して欲しい」
『宮野琉叶』の役目は一旦終わる。適当に理由でも付けて、ウェルシュの役目を終わらせれば良い。もし日本に帰って来る事になったら、FBIでもCIAにでも捕まっていたとでも言えば良いんだから。大丈夫、私はジンにも『彼』にも気に入られている。
「琳佳さん……神薙琳佳さん……」
「いやぁ、琉叶という名前も良かったですが、やはり琳佳という名前の方がしっくり来ますな！」
「よろしくお願いします！ 琳佳さん！」
「ええ、よろしく」
「コナン君は知ってたの？」
「僕、琉叶姉ちゃんだと思ってたから分からないや！」
ボウヤは相変わらず子供のフリが上手いわね。意外と丸く収まったのは良かったけど。
「蘭ちゃん、ボウヤ借りて良い？ 博士も！」
「あ、はいどうぞ！」
「さてと、何か思い当たる節が有ったんじゃない？」
「ああ……」
「琳佳君……」
「お久しぶりです、博士」
「やはりそうか！」
「どういう意味だ？」
「神薙琳佳の父親はは工藤優作氏の友人でな。家族でワシに会いに来た事もあるんじゃよ」
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作者名：櫻咲翼遥 | 作成日時：2016年12月18日 15時
