第17話 香坂家 ページ19
「これからご飯食べ行かない? ルナの歓迎会も含めて!」
「いいね! どこ行く?」
「カイユどこがいい?」
「んーどこでもいっかな!」
食事か……。確か十二年前にお母さんとお父さんに連れて行って貰ったお店のご飯、美味しかったな……。十年前にも誰かと行った気がする……。歳はそんなに離れて無い、お兄ちゃんみたいな存在と……。誰だっけ……?
「私はラリッサとガラテアが好きです」
「ラリッサは良いわよね! じゃあそこにする?」
「僕は別にどこでもいいよ」
「んじゃ、決まりって事で!」
以外にもあっさりと決まった行くお店。ラリッサ……行くのは二年ぶり。と言ってもこの二年、ロクに屋外に出て無いけど。
「じゃあさっさと行くわよ! リーダーの車で行く?」
「それが良いんじゃないかな」
「じゃあリーダーお願いねー!」
「では先に駐車場に出ていてくれ。すぐに行くからね」
「はいはーい!」
「お前仮にも母親だろ? 少しは健康を考えろ」
カオルさん結婚してるんだ……。ていうか、如月さんはそんな事言ってるけど今日お昼食べてないような……。まぁ気にしないで良いか。
「なんで?」
「お前なぁ、一昨日は外食、昨日はBarだぞ!? また外食する気か?」
「良いじゃない。来ないだは佳子も連れてったし……。そうそう、佳子ったら魁理の事ホント気に入ってるのよ!」
「またその話か。お前に言わせれば俺は無愛想の内に入るんじゃないのか?」
「まぁねん! 佳子はクールな人が好みなのかしら……」
「佳子ちゃん可愛いよね。まだあどけなくて」
「大きくなったら俺の彼女候補にしよっと!」
「桧山君……」
「先行ってるぞ」
「どんな子なんですか? その佳子ちゃん」
そう言うと「あ、見る?」と言ってカオルさんはスマホのカメラロールを開いて見せてくれた。そこにはカオルさんと同じ亜麻色の髪の男性と、小さな女の子が写っていた。亜麻色の男性がきっと旦那さん。女の子が佳子ちゃん。
「可愛いですね……小さくて。この人は旦那さんですか?」
「ええ! 香坂勇哉って言うのよ。私の家は私が働いて、勇哉が主夫だから」
「そうなんですか」
優しげな面立ちの男性で、カオルさんに雰囲気が似ている。眼鏡を掛けているから一瞬冷たく見えるけど、この垂れ目がその冷たさを引っ込めている。
「君達! 出発するぞ!」
「あ、今乗ります!」
「ごめんなさい!」
「すみません」
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作者名:櫻咲翼遥 | 作成日時:2016年12月25日 18時