エンド・カード3【JG】

エンド・カード35 ページ26

久しぶりに結城中佐に連絡を取った。


いや、結城中佐自身がフランスへと出向いてくれた。




兄を埋めた次の日、久しぶりにシャワーを浴び、荷物を纏めていた。


そこへ予期せぬ客人(結城中佐のことだ)が現れたのだから流石に目を丸くした。



今まで間の経緯全て……いや、兄のことを除いて全て話した。
勿論、資料を燃やしたことも。



すると彼は代わりの資料を私に渡してきた。
如何やら追加事項があったらしい。




なんだ、燃やして良かったじゃないか。





その後、任務は無事終わった。

ドイツスパイは捕まってなどいなかった。


デュランは最初から私を捕まえるためにカマをかけ、邪魔をしてきたのだ。


全く……タチが悪い……


人気の多いカフェでひっそりと情報交換を行い、今に至る。



「……改めて、ご心配をおかけしました。」


「その言葉は三好に言ってやれ。あいつが一番心配していたぞ。」


「……三好が？」



思わず笑ってしまった。
あのナルシストが人の心配とは。



「分かりました。今度会った時にでも言っておきます。…………それと、」



中佐の目の前にそっと兄が持っていたネクタイピンを置く。


それを見て彼は眉間にしわを寄せた。
いつもとは打って変わって、何処となく悲しげなその表情に苦笑した。



「……これは……」


「兄が持っていた物です。……覚えがありますか？」






「…………俺がかつて、彼奴に渡した物だ。」

エンド・カード36→←エンド・カード34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す