エンド・カード3【JG】

エンド・カード33 ページ24

ビルの中から青年が男性を背負って出てきた。
背負われている男は全身をコートで覆われていた。


時刻は夕方を過ぎ、薄暗い空には星が輝いている。


彼方此方血だらけの彼はそれを見上げ、悲しそうに眉をひそめた。



「あの……」




何処からか女の声が聞こえる。
そちらに目を向ければ、よく見知った顔があった。





「……御幸……君？」



「…………やぁ……」





悲しそうに笑う御幸に彼女は今にも泣き出しそうな表情を浮かべ彼に近づいた。


彼女の手には買い物籠。
その中には1食分程の食糧が詰め込まれていた。




「……如何したの、御幸君！血だらけじゃない！……その人は…？」


「……このビルの奥の部屋が倒壊したんだ。そこに彼が住んでいたんだが、生憎足が不自由だったみたいでね。僕が助けに行った時は……もう、遅かったみたいだ。」


「……っ………そ……そっか………」




悲しそうに俯く彼女の頭に手を乗せ、撫でた。



慰めか、それとも後ろに背負った男と同じように彼女に嘘をついてしまった罪悪感からか、御幸には分からなかった。



安らかな顔をして、まるで眠っているかのように死んでいる男を御幸は背負い直して、彼女へと向き合った。





「……君が、彼にご飯をあげてくれていたんだよね。








エミリー。」

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