エンド・カード3【JG】

エンド・カード22 ページ13

「便所に行かせてくれ」と下っ端の者に頼めば、手錠をしたままだが便所へと連れて行ってくれた。


相手の隙を見計らって、思い切り奴の頸に握りこぶしを打ち付ける。
昏倒した相手から手錠の鍵を奪い取って手錠を外す。




両手が自由になり少しだけホッとしたのも束の間、まだ意識があったのか、うでを切りつけられた。




腹の傷だってあるのに……




痛みに顔を歪めながらも、そのナイフを奪い取り、相手の頭を掴み、壁にぶつける。




動かなくなった相手を一瞥し、物音を立てないように廊下を走る。





喉が焼けるように痛い。
ずっと座らされていた為、足がふらふらとし、腰が痛い。





しかしそんなこと御構い無しに走った。






先ほど奪った地図を頼りに目指したのは一番奥の部屋。



Aの兄が捉えられているらしき部屋だ。




デュランは嘘はつかない。
それは何年も彼の下で訓練をしてきたAだからこそ分かる。



だから、もしかすれば……






亡骸でもいい




一目でも、兄さんの姿を見たい。





何年も待ち望んだ彼の姿を見届けたい。




辿り着いた扉の前。

ゴクリと生唾を飲み込んで、思い切り扉を開け放った。




「………っ！………にい、さん……」




片腕、片足のない無残な彼の姿がそこにあった。

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