狂気?:1@incn ページ46
「もうっ、ほんっとに信じらんないっ。」
俺たち二人以外、みんな帰った楽屋の中。
俺の可愛い恋人が先程からずっとプンプンしてる。
原因はわかってるんだけどね。
「そんなに怒ることー?」
能天気に返すと、またまたプンスカしながら「そんなことって何っ!僕の手の上にがっつり手を乗っけてきたのに!」なんて可愛らしく威嚇してくる。
「だっていつものことじゃん。なんで今日だけそんなに怒ってんのー?」
どうしてこんなにも怒ってるかなんて、本当は知ってる。
だって俺のちょっとした嫉妬と独占欲だから。
「なんでって!だって大野くんいたんだよ?なんで大野くんの前であんなことするのっ?大野くんに見られちゃったもん!」
ほら出た。
大野くん、大野くん、大野くん。
知念が憧れ続けてる人。
大野くんを前にしたら、誰も敵わない。
恋人なはずの俺でさえ蔑ろだ。
大好きで仕方がない人。
そんなことは昔から知ってる、知ってるけど。
けどさ....。
そんなに大野くんがいいんだ?
俺って知念の恋人なんじゃなかったっけ?
なんて、俺もちょっと機嫌を損ねてしまう。
「じゃあ、大野くんにすれば?」
自分でもびっくりするくらい低くて冷たい声が出た。
「...へ?」
「そんなに大野くんがいいなら、俺じゃなくて大野くんとこ行けば?大野くんに付き合ってもらいなよ?その方が知念も嬉しいでしょ?」
心にもないことがポンポン口から出てくる。
こんなこと言いたいわけじゃないのに。
...でも、口に出るってことは、心のどこかでそう思ってるのかもしれない。
「...本気で言ってるの?」
知念の真っ直ぐな瞳とぶつかる。
「.....。」
「本気で言ってるの?いのちゃん。」
「...本気だったらなに。」
綺麗なアーモンド型の瞳をまともに見れなくて、目を逸らし俯きながらそう答える。
「.....わかった。」
震える声にハッと顔を上げると、その綺麗なアーモンドの瞳をいっぱい潤ませて、怒りか悲しみかわからない顔をしてぎゅっと唇を噛む知念がいた。
やってしまった。
言い過ぎた。
大野くんファーストなのは初めからわかってたのに。
「あ...ちね....」
「もういい。」
クルッと踵を返して雑にカバンを持つと、足早に楽屋を出て行こうとする。
「ちょっ..!待って、知念!」
慌ててその腕を強く掴む。
泣いているのか、その肩はふるふると震えていて。
「痛い」と言われた腕を、逃げないようにふわりと掴み直した。
「ごめん、言い過ぎた...。」
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時