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好きの意味:7 ページ43

「あー....何やってんだ.....俺。」

天を仰ぎ、溜息を零す。
トークを面白くするためだったとはいえ、彼特有の魅力的な部分を傷つけてしまった自分に腹が立つ。

「伊野尾くん、一つだけいいこと教えてあげようか?」
「へ?」

ニヤリと挑発するような嫌な笑みを浮かべて、高木が呟いた一言。

「はあ?!先に言えよ先に!」
「伊野尾くんが知念のこと好きだなんて知らなかったしー。それに...,。」
「.....なに。」
「大事な大事な可愛い知念を傷つけた罰〜。」
「...ぅぐっ...。くそっ、楽屋戻る!」
「頑張って〜。」

ベンチから勢いよく立ち上がり、楽屋へ走り出す。
その前に一度振り返り高木を見る。

「?」
「ありがとな、高木。」
「...今日は雪かな?」
「おいっ。」
「早く言ってあげな。きっと伊野尾くんのこと待ってるよ。」
「うん。.....お前もそろそろ戻れよ。仕事だから。」
「あー、忘れてたわ。」

お互い笑い合って、俺は一目散に楽屋へ戻った。
勢いよく開けた扉の向こうには、ハーレム状態な知念が。
特に山田と裕翔の落としにいき方が凄い。
中心にいる知念は笑顔を見せてはいるものの、どこか無理してるよう。

「おいお前ら、知念から離れろっ。」

ズカズカとそのハーレムの中に入っていき、彼にべったりな山田と裕翔を剥がすと知念の腕を掴む。

「おー、伊野尾。慌ててどうした?」

この展開を予想していたのかはわからないが、一瞬ニヤッと笑った薮。

「高木から、弱ってる知念をみんなで落としにかかってるって聞いた。」
「お?伊野尾も参戦?」
「ちげーよ。.....,ただ、謝ろうと思って。」

そう言って腕を掴んだまま知念を真っ直ぐに見下ろすと、不安で揺れる綺麗な目がこちらを見ていた。

「知念、ごめんね。その、俺が心にもないこと言って傷つけちゃったんだよね、きっと。」
「....。」
「ヤベェやつって言ったのは.....その...、嫉妬したからで.......その、本心で言ったわけじゃないから。」
「え...?」

明らかに動揺した知念に、やっぱり言わなきゃよかったと思った矢先。

「いのちゃん.....彼のこと..,好きなの...?」
「...へ?」
「だから.....僕に嫉妬、して......。そう、なんだ.....。」
「え?ちょっと...何言ってんの?」
「知らなかったから......僕.....その、ごめんね.....。」

なんか勘違いしてる?
周りの目が「頑張れ」という哀れみに変わっていく。

「あ...,、そうだ、今度三人でご飯行く?....えっと、いつがいい、かな.....。」

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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時

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