おかえり:1@ymcn ページ30
もうすぐ。
もうすぐ逢える。
高鳴る胸とニヤけてくる顔をどうにか抑えながら、愛しい人を待つ。
空港の駐車場。
車内で飛行機の到着を今か今かとソワソワ待機していると、待ち焦がれていた彼からの電話。
ーもしもし、知念?
ーりょーすけー、今どこにいるの?
ー駐車場。入り口まで来れる?迎えに行くから。
ーうん、わかった。じゃあまた後でね。
用件だけ済ませるとすぐに切られる電話。
俺的にはもう少しなんか話してたかったんだけど、こういいところは相変わらずだなぁ。
それでも声が聞けただけで嬉しさがダダ漏れだ。
車から降りて知念が来る前に入り口へ向かう。
しばらくすると、知念自身が入れてしまうんじゃないかと思うくらい大きなキャリーケースを引きながら、マネージャーと一緒にこちらへ歩いてくる姿が見えた。
俺の存在に先に気づいたマネージャーが、「いるよ」と言っているようにこちらを指差しながら知念に話し掛けた。
振り返った知念と一寸の狂いもなく目が合うと、顔の半分以上を隠しているマスク越しでもわかる、可愛らしい笑顔を向けてくれた。
足早に向かってくる知念に、俺もゆっくり近寄って行く。
「おかえり、知念。」
自分でもわかるくらい、めちゃくちゃ優しい顔して微笑んでるんだろうな、俺。
「ただいま、りょーすけ。」
ああ、これ。
このふわふわ笑顔。
俺の大好きな可愛らしい笑顔で見上げてくる彼が、愛しくて仕方がない。
俺は無意識に、知念の頭を撫でていた。
それが嬉しかったのか、単にくすぐったかったのか、知念は「ふふっ。」と肩をすくめて笑った。
ここでマネージャーと別れ、知念と俺の車に戻る。
キャリーケースはもちろん俺が運ぶ。
「長時間で疲れたろ?」
「んー?大丈夫。ずっと寝てたから元気だよ。」
そう言って笑う知念の笑顔は、やっぱりどこか疲れていて。
なんなら少し痩せたか?
「知念、ちょっと痩せた?」
「んー、まあ...。少しだけ痩せたかも。緊張し過ぎて夜しかご飯食べられなかったから。十日間くらい一日一食の生活してた。」
「まじか...。知念は元々小食だから、すぐ食べない生活に慣れちゃいそうで怖いわ。」
車に辿り着くと後部座席にキャリーケースを押し込み、助手席に知念を座らせる。
「でも、これから涼介ん家で豚しゃぶだもん、ねっ。楽しみっ。」
「おう!いっぱい食え。」
昨日のメールで食べたいものは聞いておいた。
宗教上の関係で、向こうでは大好きな豚肉が食べられなかったらしい。
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時