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へべれけ のち 計算:5 ページ27

えっと....。
あ、そうか...。
これはきっと酔った勢いの冗談。
いつものテキトー伊野尾慧なんだ。
傷つかないように、僕は先に万全な自己防衛をする。

「...もう....、いのちゃん、酔っ払いすぎだよ。危うく本気にするとこだったじゃん...。」

彼の腕の中からは離れ難いけど、これ以上この温もりに包まれていたら、衛が解かれてしまう。
僕は抱えていたブランケットと共に、いのちゃんの胸をぐいっと押した。

「本気だし。」

細くたって僕より随分背が高い彼。
僕の力は及ぶことなく、呆気なく再びブランケットごと包み込まれた。

「...やめてよ....。さっきまでベロベロに酔っ払ってたじゃん.....。結局明日になって覚えてないとか言うんでしょ....。」
「酔ってないよ。」
「なに冗談言ってんの?あんなに....」

そうだ。
あんなにふらふら千鳥足だったじゃないか。
信じちゃダメだ、僕。

「俺、大して飲んでないよ。」
「だって....、ヒカだってすごく酔ってた。」
「光はそんなに強いほうじゃないし、元々よく噛むから少し酔っててもめちゃくちゃ酔ってるように見えたんじゃない?」
「お酒もいっぱい注文してたのしってるもん。」
「ああ.....、あれ、実は全部ソフトドリンクに変えてもらってた。」
「へ.....?」

どういうこと?
そんな言葉が顔に書いてあるかのように、見て取れたんだろう。
いのちゃんは強くも優しい力で僕を抱きしめると、「騙してごめん。」と謝ってきた。

「.....あ...の....、」
「今日のご飯会......、前もってみんなに頼んどいたんだ...。俺が.........その...........。」
「......いのちゃん?」

しばらくの沈黙の後、いのちゃんはゆっくりと深呼吸をしてから腕の中にいる僕を解放した。
そしてその両手は僕の両腕に優しく置かれ、小さな僕に目線を合わせるように屈む。
まるで小さな子供に向き合うみたいに。

「俺が、知念に、.....想いを伝えたいからって。」
「.....思い?」

何か、ずっと僕に言いたいことがあったのかな。
僕がいのちゃんに構って構ってっていう雰囲気を出しすぎちゃってたのが嫌だったのかな。
そんな事をぐるぐる考えていると、両腕に置かれていた手に力が篭る。
そこでその手が微かに震えていることに漸く気がつく。

「......いの..」
「知念。」
「.....ん?」
「......俺、知念の事が好き。」
「.........へ?」

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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時

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