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へべれけ のち 計算:2 ページ24

僕の顔を両手でガシッと挟んで自分の方へ向ける。
鼻がくっつきそうなくらい近い。
僕、絶対に顔が真っ赤だ。
心臓の音が聞こえちゃうんじゃないかと思うくらいうるさくバクバクしてる。
どうしよう。
どうしようどうしようどうしよう!
恥ずかしくてちょっと泣きそう....。

「いのちゃん、知念めちゃくちゃ困ってるよ。勘弁してやって。」

そんな僕の姿に見兼ねたのか、涼介がようやく助け舟を出してくれた。
んだけど...
「山田は光の相手でもしとけ〜。」と言うや否や今度はヒカが涼介に絡み始めた。

「や〜ま〜だ〜!お前はな〜もう!かわいいやつだなぁ〜!まったく〜○%*△×➕□〜!」
「ちょっと!光くん!やめろ!」

ヒカは涼介の頭をわしゃわしゃグリグリしながら、ヘラヘラ笑ってる。
シラフでもカミカミ王子なヒカ、最後はもう何を言ってるのもかわかんない。

「涼介も、どんまい。」
「勘弁してよ...。」


これ以上飲ませちゃいけないと、この後すぐに切り上げて、ベロベロの酔っ払い二人を仕方なく僕と涼介で連れて帰る。
いのちゃんは僕からずっと離れてくれないので、涼介がヒカを、僕がいのちゃんを送って行くことになった。
タクシーを二台捕まえると、「頑張って」と互いの健闘を祈りながら帰路についた。


いのちゃんが住むマンションの下、千鳥足な彼を転げさせないように懸命に支える。
細いとはいえ、僕より大分と背の高い男性を抱えながら歩くのは至難の技だ。
自分も一緒に倒れそうになりながら、なんとかエレベーターに乗せて彼の住む階へ。
エレベーターホールから少し歩いた突き当たりがいのちゃんの家。

「いの、ちゃんっ!しっかりしてよ...!」
「んぁー....?」
「こんなになるまで呑むから....もう...っ。」

何度も転けそうになりながら、やっとの思いで玄関前まで来れた。

「いのちゃん、お家の鍵出して。」
「ほえ〜?」
「家の鍵っ!どこに入れてるの?」
「えへへへ〜、さてど〜こだぁ〜?」
「もう!鍵出してくれないならここに放って帰るよ?」
「やぁ〜だぁ〜。知念帰っちゃダメ〜。」

そう言うと、そうでなくてもいのちゃんを抱えてるというより覆い被されてるような僕に、さらに覆いかぶさってくるいのちゃん。

「ちょっっっ!!危ない!!いのちゃん!」
「え〜?知念ちゃん怒ったぁ〜?」
「怒ってない!」

怒りたいよ!
もう、こんな酔っ払い捨てて帰りたいよ!
でも好きなんだもん!
そんな事できるわけないでしょ!
なんて一人心で叫ぶ。

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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時

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