プレゼントは...:2 ページ21
「もう....バカじゃないの?」
今開けるから、そう伝えて下のセキュリティを解除してやる。
そろそろ上がって来そうな頃を見計らって、玄関の外、ドアに寄り掛かりながら彼を待つ。
エレベーターから一つ角を曲がった先にある俺の家。
ちょうど今、エレベーターのドアが開いた音がしたのでそろそろ姿が見えてくるだろう。
ゆっくりとした小さな足音が聞こえて、少し俯き加減でトボトボ歩いてくる姿が角から現れた。
ああ、なんか、落ち込ませちゃったかな...。
小さな罪悪感が湧いてくる。
「...いのちゃん....。」
曲がり切った先に俺の姿を見つけた知念は一瞬立ち止まると、不安気に俺を見つめてからトテテテという音がつきそうな可愛らしい小走りで、こちらに向かってきた。
目の前まできた小さな彼が俺の顔を見ようとすると、必然的に見上げる形になる。
その瞳には不安の色が宿り、今にも泣き出してしまいそう。
「なにしてんの。」
夜中に可愛い君が一人で出歩くなんて危険なんだよ、という気持ちを込めて、少しだけ叱るように言う。
いや...。
きっと、先程の拗ねや嫉妬も入ってるんだろうと思う...。
「....ぅん.....ごめんなさい...。」
他のメンバーにはきっと色々饒舌に言い返すであろう知念は、なぜか俺にだけとても従順だ。
言い返された事なんてほぼないに等しい。
「取り敢えず入りな。」
ドアを開けて家の中に入るよう促すと、「いいの...?」と遠慮がちに聞いてくる。
俺が頷いてやると、「ありがと」と呟いて中へ入る。
リビングへ向かう俺の後に続くことなく、彼は一向に玄関先から動こうとしない。
「なにやってんの?入っといで。」
「....ん。」
俺がリビングから顔を出してなるべく優しい声で手招きしてやると、ようやく部屋の中に入って来てくれた。
「...なんか飲む?」
「ううん...大丈夫...。」
「そう..?」
「うん....。」
しばしの沈黙を破ったのは知念。
「いのちゃん....。あの...もう寝るんだよね...?....僕、もう帰るから....、あのね...これだけ...会って伝えたかったの。.....お誕生日、おめでとう...いのちゃん。」
一生懸命に俺の目を見て、心なしか怯えてるのか緊張してるのか、両手をきゅっと握りしめて、お祝いの言葉を伝えてくれる。
その姿が本当に可愛らしくて。
気がつけば、そんな彼を思い切り抱きしめていた。
「いの...」
「ありがと、知念。」
「....ぅん...。」
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時