愛しい人：1 @incn ページ3
長い長い片想いが実を結んだのが一年前。
お互いずっと好きだった気持ちを、封印すように自分たちの中に抑え込んでいた。
それは相手が同性で且つメンバーだったから。
だけど、抑え込めば抑え込むほどどうしようもなくなって。
好きがどんどん募っていった。
ちょっとしたきっかけで彼の家にお邪魔した時、とうとうその想いは溢れ出し「知念、好きだよ」と告げてしまった。
彼は「嬉しい」と綺麗なアーモンド型の目にたくさんの涙を溜めながら、それはもう言い様のないほどに可愛らしく笑ってその想いを受け止めてくれた。
それからは本当に毎日が幸せで。
彼の可愛い顔を見るだけで元気になれて、「いのちゃん」と可愛らしく名前を呼ぶ声がたまらなくて。
事あるごとに「愛してるよ」と抱きしめれば、彼の温もりを感じてとても癒される。
大好きな人と想いが通じることが、こんなに人生キラキラ華やかになるものなのかと我ながら驚いたものだ。
絶対に傷付けたくないし、大事に大事にしたい。
怖がらせるようなことも無理にしたくない。
ずっとずっと二人にしかわからないこの穏やかで甘い空気を纏っていたい。
そう思っていた。
しかし最近、どうやら彼の様子が少しおかしい。
何か俺に言いたげなのに、それをぐっと飲み込むような素振りを見せる。
「どうしたの？」と聞いても「なんでもないよ？」とはぐらかして、そのあとは決まって「いのちゃん、大好き」とそっと抱きついてくる。
絶対何か隠してる。
彼は隠し事が上手い。
害のない嘘をつくのが非常に上手い。
でも、本当は嘘をついちゃいけない事や後ろめたさがある隠し事をしている時は、一瞬瞳が揺れる。
彼の素直さ故だ。
一体、何を心に秘めているのだろう..。
だけど俺はそれに気づかない振りをする。
もし、俺から離れるような事を考えていたらどうしよう。
やっぱり好きじゃないかもと言われたらどうしよう。
臆病な俺はそんな事ばかり考えてしまう。
そんな事を悶々と思いながら、しばらく経ったある日。
久し振りに夕方で仕事が終わった帰り道。
ご飯でも食べて帰ろうかと二人で話していた時。
「いのちゃんのお家に行きたい。いのちゃん家で食べよ？」」と急に言い出す知念。
上目遣いでコテンと小首を傾げられたら「いいよ。」と言うしかない。
途中で食材を買って、簡単な夕食を俺が作る。
知念は全く料理できないので、ずっとその様子を隣でぴったりくっつきながら見ている。
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (
レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです！ (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃねずみ | 作成日時：2018年2月14日 13時
