おめでとう:3 ページ15
ヤバイ...。
仕事がこんなに押すとは思わなかった。
知念、帰ってないよな。
怒ってるかな。
一応メッセージは入れたけど既読にならない。
時刻は21:00を回っている。
マンションのエレベーターを降りると一目散に自宅へ向かい慌てて鍵を開ける。
「知念!ただいま!」
靴を脱ぎながら声を掛けてみるが、人が動く気配がしない。
でも電気はついているから、居ることには違いないだろう。
少し不審に思って、ゆっくりリビングのドアを開けると、ソファーで小さく丸まって眠っている知念がいた。
近くまで行って気がつく。
睫毛少しだけ濡れたの跡。
「知念...、風邪ひくよ...?起きて...。」
優しく彼の体を揺さぶりながら声を掛ける。
「...ぅ...ん......。」
「ちねーん...、こんな所で寝たら風邪ひいちゃうから、寝るならベッド行こう?」
「...ん......、りょ....すけ...。」
「おはよ、知念。遅くなってごめんな。」
「ん...。」
こしこしと目を擦りながらゆっくり体を起こすと、寝起きでふわふわした舌ったらずな知念が「おかえり、涼介。」と笑顔を見せた。
それは反則だ。
と心の中で叫ぶ俺をよそに、うーんと伸びをしながら「遅かったね...。お仕事、結構長引いたんだね。」と知念が少し疑うような目をして言う。
「機械トラブルで中断しちゃってさ!一応連絡入れたんだけど...。」
「え?.....あ、ホントだ。僕寝ちゃってたから気がつかなかったんだ...。」
自分のスマホを手に取ってメッセージを確認した知念からはもう疑いの眼差しは感じられない。
一先ず良かった.....。
「涼介.....、あのね、......お腹、空いてる...?」
知念にしては歯切れの悪い問いかけだ。
「え?ああ、まあ、。ダッシュで帰ってきたからお腹は空いてるかな。どっか食べに行く?」
「....あ、あのね......。ちょっとこっち来て...。」
知念はソファーから立ち上がると、俺の袖をちょこっと持ってそのままダイニングへと俺を連れて行く。
「え...っ?...なに、これ...。」
テーブルの上には誰かが作ったであろう少し不恰好な手料理が並べられていた。
「..,えっとね....、涼介、今日、誕生日でしょ?.......だからね...、その.......ぼ、僕が...作ったの......。」
「........えええっっ?!」
「あ、えっと....ヒカにね、教えてもらって........。でも....あんまり上手くできなかっ......うわっ?!りょ、涼介?!」
知念が言い終わる前に、俺は思いっきり彼を抱きしめていた。
愛しすぎるでしょ!
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです! (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちぃねずみ | 作成日時:2018年2月14日 13時