おめでとう：1 @ymcn ページ13
「俺、仕事19時までの予定だから家で待ってて。」
昨日から涼介のお家に泊まりに来ている僕は、朝からずっとソワソワしている。
今日は涼介の誕生日。
幾度となく訪れた彼の部屋。
涼介がいないだけで、居心地の良かったこの部屋が急に他所様の家のように感じる。
....帰りたい。
そんな思考を巡らせてしまったけれど、僕にはやることがあるのだ。
「そろそろ連絡来てもいい頃なんだけどなぁ。」
スマホの画面と睨めっこしていると、タイミング良くメッセージがきた。
それに「了解！」と返信をして、訪問者を待つ。
10分ほど経った頃、軽やかにインターフォンが鳴った。
画面にはニコニコ笑顔で手を振る圭人が映る。
主不在での来客だけれど、涼介にはちゃんと了承済み。
「はーい。」
「ちーちゃん、けーと来たよー。」
「今開けるね。」
下のロックを解除して、圭人が上がってくるのを待つ。
再びインターフォンが鳴り、画面に圭人が映っているのを確かめて、そのまま玄関のドアを開けた。
「けーと、いらっしゃい！」
「ちーちゃん！ちゃんとインターフォンに出てから開けないとダメだよ！」
「えー？ちゃんと画面にけーと映ってたの確かめたもん。」
「それでも、もしかしたら俺の後ろに誰か隠れてて、俺が脅されてるかもしれないじゃん。」
「けーとは心配しすぎ。もういいから、早く入って。」
「いやでもさぁ.........。」
ぶつぶつ言いながら家の中に入る圭人は、僕に超が付くほど過保護だ。
「もうっ、けーとうるさい。」
「ちーちゃん、もっと危機感持たなきゃダメだからね！」
「わかったから！もういいでしょ。」
圭人はまだ「ほんとにわかってる...？」なんてぶつぶつ言っているけれど、もう知らんぷりだ。
「それより、けーと、買って来てくれた？」
ここに来る途中で彼には買い物を頼んでいた。
いやむしろ、買い物して来てほしくて呼んだと言っても過言ではない。
そしてきっと、それは圭人にもバレてると思う。
「ちゃんと買って来たよ。光くんにも確認したから大丈夫。」
「わっ、ほんと？！」
「ちーちゃん、買い物くらい一人で行けるようにならないと......」
「けーとありがと！」
満面の笑みでお礼を言うと、圭人は決まって「それはズルいよ、ちーちゃん。」って言う。
何がズルいのかよくわからないけど、まあいいか。
「山ちゃん、きっと驚くだろうね。」
「もしかしたら信じてくれないかも。」
悪戯っ子のように二人で顔を見合わせてクスクス笑う。
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ちぃねずみ(プロフ) - >>ゆやちね様 コメントありがとうございます。たかちねは難しいですが頑張ります。 (2018年10月29日 1時) (
レス) id: a51ac93ded (このIDを非表示/違反報告)
ゆやちね(プロフ) - たかちねのお話とかすごく好きです！ (2018年10月29日 0時) (レス) id: 866f23e461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちぃねずみ | 作成日時：2018年2月14日 13時
