溺れ死ねるほど愛せない (ページ3)

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「はい？」

「聞こえなかったか？恋人関係になってもらうと言ったんだ。」

「僕とジュアがですか？」

「ここにお前たち以外いないだろう。」

ああ、この人はおかしくなったのかと放心状態になりながらジュニと代表の会話を聞いていた。
私とジュンが恋人？いやそもそもデビューおめでとうからなんでそんな話に飛んだの？
私たちのそんな疑問が顔に出ていたのか代表は続けて口を動かす。

「恋人と言ってもメンバーやペンたちに公表するわけじゃない。恋人のように見えるように行動してもらうだけだ。もちろん私生活でも。」

「私は男女混合グループを作ろうとした時からこのことを考えていた。紅一点とメンバーが付き合っているように見えたらペンたちの中でも話題性を呼ぶだろう。お前らは顔がいい。ジュンは演技力があるし、お前たちは練習生の頃から距離が近かった。恋人のように見せて注目を得るには十分だ。後々公式で交際発表でもしたら世間的にもニュースになる。」

「意味がわかりません！！なんでそんなっ。」

「分からなくて結構だよ。一つ教えるとしたら、このことを外にバラシでもしたらお前たちだけじゃなく他のメンバー全員アイドルをやめてもらう。ここまで言ったらわかるか？拒否権はないんだよ。」

すごい剣幕で言われて思考が正常に働いていないまま二人して’はい’と答えた。満足したように代表は続ける。

「このことは私とお前たち、そしてスタイリストのカウンだけの話だ。何かあったりばれそうになったらカウンに伝えろよ。」

名前が出たカウンさんはとても申し訳なさそうにしていてもう逃げ場はないのかと改めて思う。

「話はこれで終わりだ。また何かあったらカウンを通して伝えるからな。」

そう言われた後すごい勢いのジュニに引っ張られて部屋を出た。