＊７１【公安警察であるFの独白】 ページ32
⚠突然ですが注意！(今更感)
※当シリーズの降谷はだいぶ思いつめている設定です。メンタルが弱めの降谷です。それでもよろしければお進みください。
＊降谷
やってしまった。言ってはならなかったのに。という顔をしたAに、思わず唇をぐっと噛んだ。
そしてそのまま視線を下げて、Aから俺の表情が見えないように顔を隠す。
ポーカーフェイスは得意じゃないか。
わざわざ顔を隠すような真似などせずに、堂々と振る舞えばいいだろ。
以前の俺ならそう考えて、軽く笑って彼女の言葉を流していたのだろう。
でも、実際にはそれができなかった。
それが一番難しかった。
『ごめんなさい』
謝罪するときの定型文。それもたったの六文字だ。
今までに何度も聞いたことがあるし、同じくらいの回数自分からも言ったことがある言葉。
今までその言葉の重みを軽視していたわけではない。
言うにしても聞くにしても、あらゆる場面、あらゆる状況で、それ相応の意味を受け止めてきたつもりだ。
でも今回は……、いや、Aが言ったからなのだろう。
あんな苦しそうな顔で、あんな張りのない声で、
いつのまにか俺の心を掴んで離さない彼女に、そんな謝罪をされてしまったことが、ひどく悔しくて、悲しくて、そして、どこか安心して。
最終的には、俺の心を深くえぐった。
きっとAは俺も自分も相手と恋人関係になれないと分かっているから、自分の発言を謝罪したのだろう。
それは分かっている。嫌と言うほどに理解している。
でも、理性とは別の場所で、俺は謝罪なんて欲しくないと叫んでいた。
俺は公安警察である。
それも、警視庁ではなく警察庁の、だ。
何事にも動揺せずに、常に冷静に物事を捉えて、瞬時に判断し、行動する。
ターゲットに悟られないように、先を越されないようにと。
時には、個人を優先すれば助けられる命もあった。個人を優先すれば、大怪我をさせたり、心に深い傷を負わせたりすることはなかった。
でも、そんな時でも俺は、
それが、俺がやるべき仕事だ。
この国を守るための手段だ。
だから、俺にとって、唯一の存在にしてくれと言われることは、はっきりと言ってしまえばとても厄介で面倒臭い。
特別な存在なんていらない。つくってはいけない。彼女を一番に優先できない俺に、恋人に立候補するなど、そんな資格は微塵もなかった。
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花松ロン(プロフ) - 初めまして。一気読みさせていただきました！！超面白くて、もう2人の関係にニヤニヤが止まりません笑 更新楽しみに待ってます！！ (2023年2月23日 23時) (
レス) @page37 id: 3241c90ca3 (このIDを非表示/違反報告)
霜月千(プロフ) - 現在一気読みしているんですがめっちゃんこ面白いです‼︎更新楽しみにずっと待ってます (2022年5月15日 12時) (レス) id: daaa59ce20 (このIDを非表示/違反報告)
いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃ面白かったです！更新楽しみにしてます (2021年2月24日 17時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！続きが気になるとこで終わっている....続きがめっちゃ気になります！いつか更新して頂けることを願っています！ぜひよろしくお願いします！これからも応援してます！！！！！！！！！ (2020年9月13日 16時) (レス) id: 03b3e3161b (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - まなさん» ありがとうございます！番外編の後に本編も必ず更新する予定なので、気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2019年3月22日 12時
