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「 …そっか、同じやね 」
『 ほんまやな 』
お互いそれから会話が進まず、何も発展しない。
わたしはなんにも言えずに、ただ望くんのことを見ては逸らし、見つめていた。
望くんは時々頭をかいて、「あの、さあ」と咳をするみたいに言った。
『 おれら、さ 』
「 … 」
『 … 』
しばらく沈黙が続いてる。
それなのに変に期待したわたしの心臓の音はどんどん大きくなってく。
『 …どうする? 』
「 へ? 」
『 だっておれ、まともちゃうし 』
一歩近づいてきた体が一歩後ずさる。
望くんの存在自体が、もどかしい。
『 いつ、Aを巻き込むか知らんし。おれやって絶対守ってやれる自信ない 』
「だから、」とぽつりと落としたその言葉に、
なんだかまた終わりをすぐ近くに感じて。
慌てて出てきた言葉は、
「 …守って欲しい 」
とても図々しかった。
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「 …守って、わたしのこと。本当に好きなら 」
キャラにない言葉が次々と口から出ていって止まらない。
「 自分のことくらい自分で責任取るよ。でも、望くんの精一杯で守りきれなくてもいいから、守ってほしい、…です 」
「 わたしも望くんのこと精一杯、支えるし、力になるから 」
いままでわたしの言葉にぽかんとしていた望くんは、
突然走り出して、わたしを抱きしめる。
「 わっ、え?ちょ 」
『 ごめん。女の子に変なこと言わせてもうて、ほんっま情けないわおれ 』
ピンクの髪が揺れてる。色が落ちてより綺麗になった気がする。
『 約束する。
おれこんなんやけど、絶対お前のこと守るから 』
「 うん 」
『 もう傷つけへんし、離さへん 』
「 うん 」
ほろほろと溢れ出す幸せ。と、笑み。
大きな体にわたしも背伸びして手を回した。
『 好きやで 』
「 わたしも、好き 」
在り来りな言葉が、どうしようもなく特別で、幸せに思える。
体が離れて、わたしを見つめてる彼の顔は、
キラキラしていて、
わたしの心も体も瞳も全部、幸せの桃色に染まっていく気がした。
終わり。
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ゆり。(プロフ) - いやーやっぱり、楓花さんが書く小瀧は最高ですね!!甘噛みピアス・ラビット病時代から追っかけてるゆり。です!!楓花さんの書く小瀧大好きです!!これからも頑張って下さい!! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 2a1f697cc9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - この話大好きなんです!ほんとに更新楽しみで毎日気になってます! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 2ffc564c45 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ@しげりゅせLove(プロフ) - めっちゃ好きな作品です!!これからも頑張って下さい! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 62da3e1a6f (このIDを非表示/違反報告)
SEIA(プロフ) - 好きな設定です!更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2019年2月27日 20時) (レス) id: 8c23c6891c (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様(プロフ) - うぐぁ"っ、。かわいい、、新作おめでとうございます!頑張ってください! (2019年2月25日 21時) (レス) id: ad5ae62bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓花 | 作成日時:2019年2月23日 14時