桃色ベイベー 【小瀧】

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なんて言おう。

望くんに会ったらなんて言おう。




まだ好きだなんて言ったら、どんな顔するんだろう。

そんなことばっか考えて、気づいたら走っていた足も止まってた。




もうすっかり望くんはわたしのこと忘れてたら、




変な不安が胸の中で騒ぎだして、引き返そうと足が躊躇する。


そんなわたしの名前を懐かしい声が、後ろから呼んで。




『 A？ 』


「 … 」




なんだろう、振り返って顔を見ただけで涙が溜まった。






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『 …なにしてん？ 』

「 いまから、登校？(笑) 」

『 まあな 』



ゆっくり近づいてくる体。

わたしと同じタイミングで微笑んだ。





『 なに、してるん 』



「 …話があって 」





少し緊張したような顔で望くんが頷いたから、

わたしも背中に隠して握っていた手にぎゅっと力が入った。





「 …わたしが狙われないように別れたってほんと？ 」

『 え？ 』



キョトンとした望くんの顔。

おっと、これは違ったパターンか？




「 流星から聞いたんやけど、…やっぱ流星の冗談やったかな、ごめん変な事聞いて 」





うっそ、めちゃくちゃ恥ずかしいんですけど。





「 …えーっと、 」



どうしよう。
「それだけ？」みたいな顔してる望くん。


やっぱり別れたあとに会い来るなんて、未練タラタラで引いたよなあ。



なんか考え込んだ望くんの顔。

…なにこの空気、




「 …ごめんほんま、わすれて 」


『 え、なんで知ってるん 』






「 …ん？ 」









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