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望くんと別れて何日、何週間か経っても、
わたしはいまだに写真眺めたり、連絡先指でなぞったり、彼との思い出浮かべてる。
藤井「 A! 」
「 おお、流星、おはよう 」
走ってきたのか息を切らした流星がわたしの前にいきなり現れて。
少し呼吸を整えてから、わたしの肩にいきなり手を置いた。
「 …な、なに? 」
藤井「 お前さ、まだ小瀧のこと好き? 」
「 え? 」
突然の質問に驚いたけど、
なんて答えようとして考えてるわたしの変な顔を見た流星はきっと分かってしまったんだろうな。
「 …なんで? 」
藤井「 実はさ、あいつお前のこと守るために振ったんやって 」
「 …え? 」
突然のカミングアウトが冗談だとしても笑えなくて、
なんの声も出ず、流星の顔を見つめてしまった。
藤井「 おーい 」
「 うん? 」
藤井「 うん?ちゃうわ 」
「 うそ、でしょ? 」
藤井「 …嘘ちゃう、だから会いに行け 」
「 は? 」
焦ってわたしの手を引く流星。
話が全く読めないんだが。
「 まって、どういうこと? 」
藤井「 昨日、小瀧に1回ボコられたやつが、仲間集めて復讐しに来たらしくて 」
「 …え? 」
てか望くんってそんなにガッツリヤンキーだったの?
藤井「 結構前から、そいつらが西高のやつに"小瀧って女いるか?"って聞き回ってたらしいねん 」
話を聞けば聞くほど意味が分からなくて、頭が混乱する。
藤井「 たぶん、彼女縛りあげれば小瀧の奴も手え出せへんって思ったんやろな。まあ1年とかがぽろっとお前の名前吐くかもしれへんし、 」
Aが酷い目に合うかもしれんって思って、
このフレーズからの流星の言葉はあんまり入ってこなかった。
次に自分を取り戻したのは、流星がもう一度わたしの肩を強く握りしめた時だった。
藤井「 せやからお前は嫌われた訳ちゃうから、行け 」
「 …い、いや待って、 」
藤井「 これ西高の小瀧と仲ええやつから聞いたから間違いないで 」
「 ちがくて、
今わたしが行ってどうなるん? 」
藤井「 は? 」
「 ほ、ほら望くん、すっかりわたしのこと忘れてたら、ほんっま重いし 」
藤井「 あほか、あいつはなあお前に嘘ついて1番辛かったんやで? 」
「 …そうやけど、 」
藤井「 分かってるなら行って確かめろ。
…そうしないと 」
藤井「 俺が報われへんやろ 」
相変わらずキザなこと言って、優しく笑った流星に背中を押され、
わたしは不安いっぱいのまま望くんの元へ駆け出した。
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ゆり。(プロフ) - いやーやっぱり、楓花さんが書く小瀧は最高ですね!!甘噛みピアス・ラビット病時代から追っかけてるゆり。です!!楓花さんの書く小瀧大好きです!!これからも頑張って下さい!! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 2a1f697cc9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - この話大好きなんです!ほんとに更新楽しみで毎日気になってます! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 2ffc564c45 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ@しげりゅせLove(プロフ) - めっちゃ好きな作品です!!これからも頑張って下さい! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 62da3e1a6f (このIDを非表示/違反報告)
SEIA(プロフ) - 好きな設定です!更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2019年2月27日 20時) (レス) id: 8c23c6891c (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様(プロフ) - うぐぁ"っ、。かわいい、、新作おめでとうございます!頑張ってください! (2019年2月25日 21時) (レス) id: ad5ae62bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓花 | 作成日時:2019年2月23日 14時