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Aside
小瀧くんの茶髪の中に埋もれてた桃色の髪に、わたしはとても綺麗だと思った。
髪色でこんなに心を惹き付けられたのは初めてだし、そもそもなんでこの色なのかもわからない。
それでも、ずっと見てられるような、
『 おい、もう離れろ 』
小瀧くんに押されて、わたしは彼から急いで離れる。
今まで密着していたことに、今更恥ずかしくなってきて。
小瀧くんも照れてるのか、頬杖をついてわたしにとは真逆の方向を向いていた。
「 …あ、ジュース、 」
『 お前ちょっとこい 』
「 …へ? 」
オレンジの染みが着いたワイシャツをわたしのスクバで隠すように持つと、
タオルを持ってきてくれた店員さんにも「いらん」と威圧して、店を出ていく。
あれ、さらっと奢ってくれた?
すごい紳士的、ジェントルマン、、
ドリンクバー代の300円もしない安い代金だけど、
ちょっとだけ、恋人感が味わえたり。
…ていうか、まって。そもそも、
「 …あの、本当に付き合ってるんですか?わたしたち、 」
『 あん? 』
わたしの少し前に歩いてた小瀧くんが、振り返ってまた茶色の髪が靡いた。
見えたピンクにドキッとしたのは秘密。
『 …そんなん嫌なら、仮でええわ 』
「 か、仮? 」
『 (まあ無理矢理やったし、仮なら気まずくならんやろ) 』
小瀧くんの大きな背中に微笑んで、頷いた。
ちょっと、普遍的な毎日が桃色に変わる気がした。
いつもは感じられないドキドキを味わえるような。
『 返事は? 』
「 は、はい! 」
『 …よしっ、』
「 …え? 」
『 なんもないわ 』
彼がガッツポーズしたように見えてたけど、きっと気のせい?
「 インナーカラーって言うんですか? 」
『 あ? 』
「 あっ、いや、…その、ピンク 」
『 ああ、まあな 』
ちょっと馴れ馴れしく喋りすぎたな…
それより、聞きたいことが山ほどありまして、
まずこれからどこへ?
なんて呼べばいいのかとか連絡先とか、西高の立ち位置的にはどのへんなのか。
あの年下の怯えっぷりを見たら、ボスに近いとこなんやろうけど。
…あとは、
「 あ、あの!わたし学校行きたいんですけど… 」
『 す、好きなのでもおんのか 』
「 え?…いないですけど、 」
『 じゃあええやん 』
普通に単位取らなきゃまずいでしょ…?
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ゆり。(プロフ) - いやーやっぱり、楓花さんが書く小瀧は最高ですね!!甘噛みピアス・ラビット病時代から追っかけてるゆり。です!!楓花さんの書く小瀧大好きです!!これからも頑張って下さい!! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 2a1f697cc9 (このIDを非表示/違反報告)
さやか - この話大好きなんです!ほんとに更新楽しみで毎日気になってます! (2019年3月11日 17時) (レス) id: 2ffc564c45 (このIDを非表示/違反報告)
まひろ@しげりゅせLove(プロフ) - めっちゃ好きな作品です!!これからも頑張って下さい! (2019年3月10日 22時) (レス) id: 62da3e1a6f (このIDを非表示/違反報告)
SEIA(プロフ) - 好きな設定です!更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2019年2月27日 20時) (レス) id: 8c23c6891c (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様(プロフ) - うぐぁ"っ、。かわいい、、新作おめでとうございます!頑張ってください! (2019年2月25日 21時) (レス) id: ad5ae62bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓花 | 作成日時:2019年2月23日 14時