桃色ベイベー 【小瀧】

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Aside



ほんまに白けた。
と肩を落として、ぽかんとしてる望くんにペットボトルを差し出したのに、


突然抱きしめられるもんだから、もうわけわかんない。



でも、とっても居心地良くて、安心して、
あたたかくて。

ドキドキとどんどん高鳴ってく心臓の音。




『 A… 』




初めて呼んでくれた名前。

当たり前なはずなのに、全く呼んでくれない望くんだったから、とても嬉しかった。



それでいて恥ずかしくて、どうしようもできない、自分でもよくわからない感情が湧き上がってきて、思わず彼の胸に頭を埋めてしまう。



もっと近づきたい。

わたしはそう思うがまま、望くんの背中に手を回した。



望くんもわたしの首筋に顔を埋めて、髪の毛が擽ったくて。

いつまでもこの時間が続けばいいと思った。




「 …仮 」

『 ん？ 』

「 恋人、仮… 」



至近距離で望くんの声が聞こえて、恥ずかしい。



「 …もう、外れたかな 」





自分でこんなこと言っちゃうほど、グイグイキャラじゃないのに、

望くんといることで、いい意味で自分が崩れてく。






『 …は、外れたに決まってるやろ 』




胸がドキッと高鳴る。

それからわたしは、なかなか彼から離れることが出来なかった。









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