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久しぶりの ページ20

あずちゃんが私の手を握り、にこっ、と微笑む。



『ありがとう、あずちゃん。』



私は空いている手であずちゃんの頭を撫でた。



優「それじゃ行こうか。」



3枚のチケットを取り出した優子さんがロビーへ歩き出し、私とあずちゃんもそれに続く。


ロビーに入ると、ふと奥から3番目のソファーに目が行った。


・・・あそこには、いつも・・・・・




「あかり。」


「頑張ったね。」




なめらかな指、私を包んだ細い両腕。


優しい笑顔と、少し低めの体温。




『・・・・、!』



見つめていたソファーに、翡翠の色のワンピースを着た女性が座った。



「ママ!」



その女性に小さな女の子が駆け寄る。


女性・・その子のお母さんは娘を大切そうに撫でて、膝の上に乗せた。


幸せそうな笑顔。



ぎゅっ、と胸が締め付けられ、視界が熱く、ぼやける。




あ「あかり・・・?」


『!』



その小さな声で我に帰ると、あずちゃんが心配そうに少し揺らした瞳で私を見ていた。



あ「・・だいじょーぶ?」


『・・・うん。』


あ「ほんと?」


『ほんとだよ。』


あ「・・良かった!」



あずちゃんがいつもの笑顔を見せてくれて、ほっと胸を撫で下ろす。


あずちゃんに心配かけるなんて、何やってるんだろう、私は。



前を向くと、優子さんがホールの扉に手をかけていた。



ふしゅ、と空気の抜けた音がして、大きな扉が開く。


薄暗い中へ足を踏み入れた。





乾いた空気と、


埃の匂い。



懐かしいこの感覚。





一際明るいステージに目をやれば、


真ん中に堂々と、その黒を光らせる、



スタインウェイのグランドピアノ。




・・・“コンクール” だ。









優子side





「え・・・、華原あかり?」



指定席へ歩いていると、どこからかそんな声が聞こえた。


一気に周囲の視線がこちらへ集まり、どよめきが起きる。



「あれ、ピアノの華原あかりじゃないか!?」


「嘘、本物・・?」


「ピアノ辞めたんじゃないの!?」


「・・・戻ってきた、ってこと?」


「でも母親死んだんだろ?」


「またあの演奏見れるの!?」



・・・うるさいわねぇ。


ホールだから反響すんのよ。


どよめきの反響なんて耳障りでしかない。



席に着いたので、あかりとあずを施しながら座る。



「客席に、座った・・・」


「出ないのか?」


「プログラムに載ってないしね。」

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おしお - いえいえ!こちらこそ要望に応えられずすみません・・・実は要望なんて初めてですごく嬉しかったんです。本当にありがとうございました。本当にごめんなさい。 (5月7日 19時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 理由があったんですね! 何も考えずにコメントしてしまい、申し訳ありませんでした。 (5月5日 9時) (レス) id: bd93b7215e (このIDを非表示/違反報告)
おしお - 他にも読者様の中に「夢主を自分の名前に変換したい。」と思っている方がいらっしゃいましたら、参考にしたいので是非コメントで教えて下さい。 (5月4日 13時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
おしお - 百花さん» ご要望ありがとうございます!夢主の名前を自動変換不可能にしているのには理由があるので、申し訳ないのですが少し考えさせて下さい。やり方は知った上です。本当にすみません。 (5月4日 13時) (レス) id: e698fce4ed (このIDを非表示/違反報告)
百花(プロフ) - 要望なんですけど、主人公の名前、自分の名前にできませんか? (名前)って入れればその人の名前に自動変換してくれるんですけど、もしやり方わからなかったようならごめんなさい。 (5月3日 18時) (レス) id: bd93b7215e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おしお | 作成日時:2019年3月5日 19時

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