ピアノとバレー (白布 賢二郎) 3

悪魔と天使&芹那side ページ26

夢を見た。



白い悪魔と、


黒い天使。



“どっちがいいの？”



女の子は応えなければならない。



・・・女の子は、どちらを選ぶのだろう。




「おはよう。あかりちゃん。」


『・・うん、おはよう。』








芹那side



芹「あ、お2人さんおはよ。」



朝練を終えて教室へ向かうと、


白布くんと川西が既に来ていた。


椅子に座りながら駄弁っている。



白「はよ。」


川「おはよ。吹部も始業式から朝練？」


芹「そのとーり。鬼だよね。」



自分の机にカバンを置きながらそう答える。


ふと２つ前の席を見ると、カバンが無かった。



芹「あかりまだ来てない？」


白「みたいだけど。」



へー・・、あかりいつもは来るの早いんだけどな・・・


もう始業のチャイムの10分前。


・・ま、そのうち来るか。それまで2人と喋っとこ。



芹「ね、そういえばさ「「きゃーー！！」」！？、」



喋り始めた矢先、なぜか廊下から聞こえてきた女子の黄色い声によって遮られる。


なんだなんだ？



川「なんじゃ？」


白「うるさ・・・」



川西と白布くんが立ち上がったので、


3人で廊下を覗きに行った。



芹 白 川「「「！？」」」



廊下に居たのは、



？？「へぇ。あかりちゃん1組なんだ。」


『うん。』



あかりと、・・・誰！？



綺麗な黒髪と暗い色の瞳が特徴的なイケメン。



は、まじで誰？


ていうかあんなイケメンいた？



イケメンを見た周りの女子の目が輝いていく。


柔らかい表情であかりと話すイケメンは、


女子の視線と声に気付くと、その子たちに軽く微笑んだ。


その仕草に女子たちの目はますます潤んでいく。声は真っ黄色だ。


・・・やべ、カリスマ性に関しては白布くんより一回り上いってる。



イケメン・・あかりの知り合い？


あかりも微笑みながら話してるし、どういう関係？



美男美女過ぎる2人を見つめていると、


とんとん、と肩が指先で叩かれる感覚がした。


振り返ると、


川西がずいぶん顔を強張らせながらあたしを見ている。



芹「え、何？」



そう聞くと、川西は何も言わずに親指を自分の後ろへ向けた。


白布くん？


川西を避けるように向こうを覗き込むと、



・・・・わお。



白「・・・・。」



眉間にシワ寄せて、


瞳に殺意を込めて、



ドス黒いオーラを放ちながらイケメンを睨む白布くんがいた。



川「どーすんのあれ。(小声)」



いや知るか。

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