ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

芹那side2 ページ40

芹那.....まじで言ってんの?



困惑しながらそう送ると、すぐに返信が来た。



太一どう思う?



どう思う、って・・・


・・・何言ってんの。嘘でしょ？



芹那冗談やめてよね。びっくりした。

太一wwごめん。で、行ってくれるの?

芹那嘘つきと行く花火大会かー。どうしよっかな。

太一俺と行くの嫌?



・・・嫌じゃ、ないけど。


どうしよ。


2人きりだし。


デートみたいで変に緊張するんだよなぁ。



芹「・・・・・」



・・・・でも、なんで行きたくなってんの、あたし。


・・まあ別に行ってもいいかな・・・


さっきドキドキさせられた仕返ししなきゃだし。



芹那嫌じゃない。行こ。

芹那浴衣着てく!絶対綺麗だから覚悟しとけよ!



そう勢いに任せて送ってから立ち上がり、スマホをソファーに投げた。


・・・よし、やるか。



芹「おかあさーん！浴衣出してー！」


芹母「はあ！？」









数時間後。









白布くんside




花火が上がる河川敷から少し離れた神社。


そこにはたくさんの屋台が並んでいて、


入り口となる鳥居が待ち合わせ場所となっていた。


今は待ち合わせの10分前。



白「早く来すぎた・・？」



鳥居の端に寄って行き交う人混みの中から華原を探すが、いない。


・・・時間にルーズじゃないあいつでも、10分前はないか。


鳥居にもたれながら、スマホをいじる。



すると、



ざわ、と周りの人々がざわつき始める。


不思議に思って顔をあげると、


人が少し端に避けていて、その中から見たことのある淡いグレーの髪の女子が出てきた。


彼女は俺を見てから、微笑んで、下駄をかたかたと鳴らしながら走ってくる。



『白布くん。』



そう言って、俺の前で止まった。



・・・・・っ。



白地に赤の椿と黒のストライプ柄がまだらに散った浴衣に、



編み込んでまとめられた髪には揺れる椿のかんざし。



いつもと違って紅く色づいた唇。



想像以上に色っぽかった。



言葉では表せないほど綺麗だ。




『おまたせ。ごめんね、待った？』


白「・・・・・」


『・・・白布くん？』


白「え？あ、ごめん。」


『ううん。大丈夫？』


白「うん。」


『そっか。』



華原はふわりと笑う。


・・・やばい、今日は格別にやばい。

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