ピアノとバレー (白布 賢二郎) 2

白布くんのお母さん2 ページ31

白母「佐々木先生が、今から客人の対応で賢二郎のことを見れない、さらに保健の先生も出張だとおっしゃっていてね。」


・・・保健の先生出張だったんだ。


『はい。』


白母「代わりに保健委員の女子生徒が見てくれている、ともおっしゃってたから、どんな子だろうと私少し楽しみにしてて。」


『そ、そうなんですか。』


白母「で、来てみたらあなたがいたのよ？」


『？・・はい。』


白母「あなた、ものすごく美人じゃない。賢二郎、美人が好きだから。」


『っ、滅相もないです。私なんて白布くんのお母様の足元にも及びませんよ。お母様のほうがずっと綺麗です。』


白母「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃない？でもそんなに謙遜しなくても。あなた言葉遣いも綺麗だし。」


『あ、ありがとうございます。』


白母「ちなみにあなたお名前は？」


『華原あかりです。』


白母「そう、ありがとう。ならあかりちゃん、とよんでいいかしら。」


『もちろんです！とても光栄です。』


白母「ふふ、本当にしっかりしてるのね、あかりちゃんは。」


『そ、そうですか・・・？』


白母「ええ。お嫁にきて欲しいくらい。」


『っ・・え、ええと。』


白母「ふふふ。変なこと言ってごめんなさいね。」


『い、いえ。あ、こちらが保健室です。』



コンコン、とノックをしてから扉を開け、白布くんのお母さんに入ってもらう。


そのあと自分も入ってから白いカーテンの中に白布くんのお母さんを通した。


白布くんは静かに寝ていた。



白母「・・・処置もあかりちゃんがしてくれたの？」


『は、はい。私に出来る程度ですが・・・』


白母「充分よ。ありがとう。」



白布くんのお母さんはそう言ったあと、賢二郎、と言って白布くんを起こし始めた。



白「ん・・・かはら？・・ん？母さんか・・・」


白母「賢二郎、“か”って何？」


白「なんでもない。」


白母「さ、早く起きなさい。帰るわよ。」


白「んん・・・」



白布くんはぐーっ、とベットの中で伸びをしてから、


私と白布くんのお母さんを交互にみた。



白「・・・なんか、異様な光景。」


『？』


白「母さんと華原が並んでるのが。」


白母「美人が2人もいていいじゃない。ほら早く起きなさいってば。私も忙しいのよ。」


白「はいはい。」



私は机の上のカバンを２つ取ってから、


立ち上がった白布くんに片方を渡した。


そして、３人で静かに保健室を出て、校門へ歩き出した。

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