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紅く ページ2

赤く夕日に染まった、誰ひとり見当たらない廊下。


私は早めた足で、教室へと歩いていた。



・・・大分、待たせちゃったなあ。



白布くんと一緒に帰る約束をしたはいいものの、


文化祭のことで円山先生と打ち合わせをしているうちに、こんな時間になってしまった。


申し訳なさを感じる度に、足が速く動く。



そして教室の前に着いた頃には、もう小走り状態だった。


ガラスから教室の中の様子が見えた時、


思わず、扉にかけていた手が止まる。



白布くん、と・・・奈々ちゃん、?



オレンジ色の教室に、あまり見ない組み合わせの2人。


なぜかなんとなく、入りにくくて、


私はそのまま突っ立って、中の様子を伺った。



白「あいつほんと遅い・・・もう迎えに行くわ。」



呆れたようなため息の後、白布くんがそう言って、


私の机の上のカバンを掴むと、こちらへ歩き出す。


近づく足音に私はふと、焦りを覚えて、


このままここにいていいのか、 などと思っていた、


その時、



奈「・・・ま、まって!」



赤い教室に、奈々ちゃんの声がやけに大きく響いた。


それまで顔を下げていた奈々ちゃんの顔は、


赤く染まっていて、瞳が潤んでいる。


見慣れないその表情に、心臓が1つ大きく跳ねるのを感じた。



白「・・・何?」



少し動揺したような声で、白布くんが振り返ると、


奈々ちゃんは再び少し俯いて、ゆっくりと息を吐く。


明らかにいつもと違う雰囲気。


一体何が起こるんだろう、なぜかそんな気持ちに包まれながら、


私は1人、様子を伺う。








奈「・・・好きです。」









・・・・・、



・・・その一言に、



一瞬、動けなくなった。




そしてその数秒後、



なんとも言えない、



名前のわからない感情に包まれながら、





私は静かに教室から離れた。

隙→←続編に移行しました



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きよ(プロフ) - 続きみたいです!! (2020年6月2日 3時) (レス) id: ff4e0b2e24 (このIDを非表示/違反報告)
おしお - ふらくとすさん» ありがとうございます!(泣)とてもうれしいです!これからももっと魅力的な作品にできるように頑張ります! (2020年4月2日 19時) (レス) id: 12731af34f (このIDを非表示/違反報告)
ふらくとす(プロフ) - ここまで一気に読んでしまいました^^;白布くんのかっこよさがとても素敵な表現で表されていてすぐにお気に入りの作品の一つになりました!!あかりちゃん白布くん芹那ちゃん川西くんみんなの今後がとても楽しみです!これからも微力ながら応援してます!更新頑張って下さい! (2020年3月29日 2時) (レス) id: 1f5e46c8ad (このIDを非表示/違反報告)
おしお - るるさん» ありがとうございます!!がんばります! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 12731af34f (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 最初から一気に読ませていただきました!私は白布くん大好きなのでとてもキュンキュンしながら読んでます!これからも応援していますので、頑張ってください!! (2020年3月3日 21時) (レス) id: 0adac37250 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おしお | 作成日時:2019年9月15日 22時

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