課題曲 ページ48
あかり、おはよ。そう聞こえた気がしてイヤホンをとる。
『芹那、おはよう！』
芹「なに聴いてんの？」
そう言いながら私のスマホを覗き込む芹那。
芹「・・・平均律クラヴィーア曲集？」
『うん。次のコンクールの課題曲決めてたの。』
芹「へえ〜、自分で選ぶんだ。」
『だから、ごめん！』
芹「えっ、なに？」
『多分、今日教室でずっとこれ聴いてるから返事出来ない・・・』
芹「ええーそんなあー」
『本当にごめん！はやく決めないとやばくて！』
芹「むう。しょうがないな。」
しぶしぶ了承しながら�を膨らませる芹那は可愛い。
ありがとう、と言って二人で電車へ急いだ。
・
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・
放課後の図書室で真剣に曲を聴いていると、
左耳のイヤホンがはずれる感覚がした。
左に目を向けると白布くんが少し不機嫌そうな顔で立っていた。
白「帰んねぇの？」
『えっ、』
ふいに窓の外を見ると、空が赤く染まっていた。
図書室にも私と白布くん以外誰もいない。
『もうこんな時間だったんだ・・・ごめんね、ありがとう。』
白「別に、ていうかみんな勉強してんのに音楽聴いてたの？」
『うん。』
白「朝からずっと聴いてたけど、何の曲？」
『バッハ。』
白「ばっ、バッハ？・・・」
『うん。平均律クラヴィーア。』
白「・・・クラシックが好きなの？」
『うん。好きだけど、今日はコンクールの曲選んでたんだよ。』
白「ふーん。決まった？」
『二曲には絞ったけど、まだなの・・・』
ずっとイヤホンをしていたせいで耳がいたい。
ヘッドフォンを買おうかな・・・
なんて考えていると、白布くんが言った。
白「ずっとイヤホンしてたら耳痛くなるよ。」
私もちょうど考えてた、と言おうとしたとき、
白布くんが少し近づいて、手が伸びてくる。
え。
そのまま手は私の髪に触れ、優しく髪を耳にかける。
そして耳に触れて、輪郭をなでた。
指先は少し冷たかった。
白「ほら、少し赤くなってる。」
少し笑ってそう言う彼から目が離せない。
顔の温度が熱くなっていくのが分かる。
くすぐったくて、声が出そうになるのを抑え、
し、白布くん。と小さな声で言う。
はっと我にかえった彼は、
白「あ、ごめん。」
と驚いたような顔で言う。
大丈夫、とだけ言って私は図書室から駆け出した。
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おしお - それにあかりもですね・・・。あの美女2人の容姿めちゃめちゃ好きなんです・・・。 (2020年2月18日 22時) (
レス) id: 12731af34f (このIDを非表示/違反報告)
おしお - はい！ハニレモ大好きです！芹那ですよね笑「那」の部分だけ変えて他はまんまモデルにしました。不快に思わせてしまったならばすみません・・・ (2020年2月18日 21時) (レス) id: 12731af34f (このIDを非表示/違反報告)
あゆ - 急ですみません。 あの、八二一レモンソーダ読まれてますか？ (2019年11月9日 0時) (レス) id: d5865b86c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おしお | 作成日時：2018年10月9日 15時
