《２》 ページ9
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少し俯いて、くるりと入口側に椅子を回転させたら、カツカツとヒールの音が近づいて来て、ストン、と隣に座る彼女。
「…お腹空いた。」
顔を上げたら、目を細めて優しい笑顔。
「外は真夏だけど、今日一日内勤で、身体が冷えたから、もつ鍋とか食べたいかも。有岡ってもつ鍋好き？」
もつ…鍋……
これって…メシを食いにだったらいいよって事…か？
「 ………好き！超好き！めっっっちゃ好き！」
前乗りで食いつく俺にあははと今度は声を出して笑う。
「じゃあ…行っちゃう？」
「行く！行く！」
「でもな…私、あんまり沢山は食べられないからな…。もう少し他の誰か呼ぶ？」
「俺が残り全部たべるから平気！」
「そう？ほら、色々なサイドメニューも食べてみたりとかしたくない？」
「大丈夫！俺、いっぱい食べる人！」
…一瞬、涼介達を呼んでもって思ったけど。
せっかくだもん、二人きりがいい、今日は。
じゃあ、行こうか。と笑う彼女に足取り軽く並び歩く。
もつ鍋屋さんで鍋をつつきながら、小食だから目だけが食べたくなって大変なんだよねと笑う彼女。
「お祭りとか、中華街とか？食べ歩きするのが夢なんだ。でも実際やったら大変な事になっちゃう。女子の可愛い『食べられなーい』ってレベルじゃ無いのよ、私。」
「じゃあさ、食べたいもの片っ端から食べるツアーやんない？！」
「や…私の話聞いてた？食べられないんだって…」
「だ〜か〜ら！好きなもん買って貰って良いから！俺が全部残りは食べる！」
ふと箸を止めて首を傾げる。
「…有岡はそれで嫌じゃないの？」
「全然！楽しいに決まってるよ、そんなん！」
一度目をパチクリとした後、また綺麗に唇に三日月を浮かべる彼女。
「…ありがとう。」
それが本当に嬉しそうに見えて、俺も凄い嬉しくなった。
「じゃあ、次回は中華街食べ歩き行こうよ！」
「うん！行きたい！」
こうして取り付ける事が出来た、次の約束。
これは…繋がったかも、ダブルデートに。
涼介、俺、やっぱりもう少し頑張るわ。
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続く (更新停止中)
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作者名：mee
作成日時：2017年7月5日 11時
