秘書課までの廊下にて ページ2
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side daiki
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二宮さんが秘書課に持って行く書類を俺達に託してくれて向かった秘書課。
あー!楽しみ!
秘書課に行く理由ばっちりだもんね!
駆け出しそうにうずうずしてる俺の横で
「大貴、はしゃぎすぎ」なんてクールを装う涼介も、口の端があがっちゃって、もはやニヤニヤ顔。
「居るといいねー!」
「居るでしょ。さっきは居たし。」
えっ?!涼介さりげなく行ってたの?!
驚いた俺に、少しだけハッとしてバツが悪そうに口を尖らせる。
「…ちょっと用事のついでに覗いただけだって。」
そんな涼介が何だか嬉しい。
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俺と涼介は同期で入って、たまたま同じ営業一課に配属されて…たまたま秘書課の人がお互い気になり始めた。
もちろん、人はそれぞれ違うよ?
俺は…ちょっとクールな感じのでも、ちゃんと周囲に気を配っていて優しい人。仕事が出来るのがかっこいいの。
涼介は、ふわふわしてるんだけど、いつも明るくて笑顔に溢れてて、それでいて仕事はてきぱきこなす様な人。
二人は仲良しみたいでよく一緒にいる所を見かける。
最初は薮ちゃんも秘書課の子狙いだったんだけどなー。
今は、どうやら経理課の窓口の人が気になるみたい。
でも…
『…二宮さんに阻まれてる気がしてならない』
なんてぼやいてたっけ。
そういえば、今回も経理の書類だって俺達が持って行っても良かったのに、二宮さんが持ってくって…。
やっぱり、経理にお目当ての子が居るのかな?
経理の部署で若い女の人って、窓口に座ってる人だけ…だよね…
う〜ん……
……でもな。
「ねえ!二宮さん、さっき戻って来てたよね?」
「本当?じゃあ…ランチ誘ってみよっか!」
通りすがりの女子社員さん達が、小さなバッグを片手にぶら下げてキャアキャア言って通り過ぎた。
「なあ、営業一課の二宮、飯に誘っても良いかな。」
「あー…な。俺もちょっと話したいんだよな…あいつ、この前の案件、サクッと処理したらしくて。色々話聞きたい。」
今度は、自販機の前からそんな会話。
誰に対しても人当たりが良くて、するっと懐に入っていく感じで
女の人だけじゃなくて男の人にも人気がある二宮さん。
そんな引っ張りだこで多忙な二宮さんが、一人の人に固執するなんて…あるのかな?
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作者名:mee
作成日時:2017年7月5日 11時