救世主 ページ38
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振り返ると、ジミンさんが得意のあざとい笑みを浮かべてこちらを見ていた。
「ジミンさん…」
JM「ヌナ、もう通訳は終わったんですか？」
「え、あ、はい。終わりました。…あ」
そうだ、私ジミンさんを探してたんだ。
マキトから離れて、ジミンさんの所へ向かう。
MT「あっ、A！」
「ごめん。私、もう行かなきゃ。じゃあね」
振り返らず、ジミンさんを押しながら前に進む。
危ない危ない！！
もう少しで、あっちのペースに行こうとしてた。
JM「ヌナ、あの人が元彼ですか？」
ジミンさんの言葉で体がビクッと震える。
……どこまで私たちのことを見てたんだろう。
「ジミンさんには関係ありません。」
JM「どうしてですか？僕達、付き合ってるじゃないですか。」
「ちょっ…！ここでは言わないでください！誰が見てるか分からないんですよ？」
JM「元彼か言ったら、もう二度と公共の場では言いません。」
……なんかこういうのさっきもあったような…
嫌々ながらも、ぼそっと呟く。
「…元彼ですよ」
JM「へー、あの人がAヌナの元彼ですか。」
フッと一瞬だけ、何か悪いことを考えてそうな笑みをした。
嫌な予感しかしない…
セジンさんに連絡をして、何とか合流をした。
SJ「あ！ジミン！！お前どこに行ってたんだよ」
JM「ヒョーン、ごめんなさい。ウロウロしてたら迷いました。」
SJ「はぁっ、マイペースすぎるわ。」
走っていたのか疲れた表情をしているセジンさんとは逆に、ニコニコと笑って呑気な様子のジミンさん。
本当にマイペースすぎるよ。
私もセジンさんも、ジミンさんのマイペースさに呆れたというか疲れてしまった。
それからホテルに戻り自分とソアオンニの部屋に入る。
「ただいま戻りました」
一言そう言うと、返してくる声が聞こえない。
出かけたのかな…？
そう思って、荷物がある場所に行こうとすると
「っ！！？」
急に立ちくらみをしてその場にしゃがみこんでしまう。
そういえば、朝から身体の調子悪かったな…
さっきは元気だったのに…
頭痛がしてきて、目も焦点が合わない。
「ハァッ、ハァッ…」
徐々に痛みも和らいできて、焦点もあってくる。
寝不足かな…最近雨多かったし、夢にあの人が出てきたから眠れなかったんだ…
ほんとに、この症状に名前を付けたいよ。
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作者名：M.R | 作成日時：2020年4月5日 2時
