ヌナは綺麗な人。 (ページ27)

今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:31,123 hit

やっぱりページ27

.

さっきとの雰囲気がガラリと変わり、怒ってるような感じがする。

後ずさろうとしても遅くて、パシッと腕を掴まれて、もう逃げられなくなった。

「ジ、ジミンさん？」

顔を上げると、急にピアスを触れられ、ビクッとする。

JM「これ、捨てなかったんですか？」

怖い顔をして私を見つめていて、背筋が凍った。

「これ」というのは、恐らくピアス。

やっぱり、昨日のことは幻覚とかじゃなかったのか…なんて呑気なことを考える自分に呆れる。

何も言えなくて、黙ってしまう。

JM「このピアスを気に入ってるだけなんですか…？それとも、まだ元彼のことが忘れられない？」

…どうしてこの人は、

泣きそうな顔をしてるんだろう。

どうして、私のことを聞くんだろう…

どんどん腕を掴む力が強くなる。

痛い。

.

ああ、そうか。

仕事がちゃんとできてない私を注意してくれてるのか。

ごめんなさい。

私のせいで、そんな顔をさせてしまって。

今にも泣きそうなジミンさんを見るのが、苦しくなった。

「…仕事がちゃんとできていないのは、ピアスのせいではありません。私の不注意です。」

JM「…なんで、そうなんの……。」

呆れたような顔を向けてくるジミンさん。

ほんとに申し訳ない。

JM「僕は、Aさんが好きなんです。」

「…私は、もう人を愛したくないです。」

昨日のことは、幻覚じゃないって分かってた。

でも、この人は本気なんだなって今思った。

ごめんなさい。

私は、もう人に捨てられるのが怖いんです。

愛した人が、どこかへ行ってしまうのが怖い。

だから、無理だ。

JM「…それは、どういうことなんですか？」

.

.

.

.

「私は、ジミンさんを愛せる自信がありません。」

好きだ好きだって言われても、結局あの人には愛されてなかった。

きっと、ジミンさんもそれは一緒で、またそうなってしまったら、私は壊れてしまう。

メンタル的に。

人を信じれなくなってしまう。

お願い。

もう、悲しくなりたくない

孤独になりたくないから。

.

.

JM「じゃあ、俺がAさんに愛してもらえるように頑張ります。」

そう言ってジミンさんは、お得意のあざとい笑顔を見せた。