ヌナは綺麗な人。 (ページ19)

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溺れる -JIMIN- ページ19

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あっという間に会社について、Aさんをおんぶして会社に入った。

タクシーに乗せるときも思ったけど、軽いな…。

細いし、小さいし、小動物みたい。

会議室に入り、椅子を並べAさんを寝かせる。

練習室にあったRJのクッションを枕代わりにして、毛布をかけた。

…本当はCHIMMYにしたかったけど、テヒョンがこの前なんか知らんけど宿舎に持って帰っちゃったからなかった。

しゃがんでAさんの横顔を見る。

JM「…泣いてる。」

なぜかAさんが泣いていた。

顔を少し歪ませ、毛布を少し掴みながら。

運んでる時、どこかでAさんをぶつけちゃったのかな？

寒いのかな？

焦りながらAさんの頭を撫でていると、

「…まき…と、行かない…で。」

日本語で、悲しそうな弱い声をこぼしたAさん。

行かないでってことだよね？

まきと……日本人らしい名前だ。

まさか、元彼？

それからもずっと涙を溢れ出していて、落ち着かせるために頭を撫で続けながら、考える。

もしも…もしも、まきとって言う人が元彼だとして、このピアスも元彼からもらったとしたら…？

まだAさんは、その人のことが好きだとしたら？

僕の思いすぎか…。

妄想激しすぎるかも…

辛い思い出でもあったのかな？

そんなの、僕が忘れさせるくらい愛してあげるよ。

…だから、泣かないで。

頭に軽く、キスを落とした。

もし俺の思いこみが本当だったら、俺はどうなっちゃうんだろ。

気が狂うくらい、嫉妬に溺れそうだ。

愛してしまったのだから。

撫でていると、落ち着いたのかまたすやすやと眠り始めたAさん。

幼い感じがし可愛く思えてきて、頬にキスを落とした。

「好きだよ。Aヌナ。」

そう呟きAさんから離れて、会議室を出た。

泣くほど、まきとっていう人が好きだったのかな。

会いたいのかな。

僕はそんな彼女を見たくない。

他の人を見ているAさんが。

でも、それさえも綺麗でAさんから抜け出せない。

本当に綺麗。

泣いているAさんの顔を思い出し、胸が痛い。

心を奪われて、また恋に深く溺れながら、嫉妬にも深く、深く溺れて、もがく。