スーパースターと恋。 (ページ1)

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ヒチョル先輩　-　HC ページ1

うちの学校で一番イケメンで三年の、キムヒチョル先輩。
そんな先輩と私は同じ帰宅部であり、なぜか一日に一度以上は話す関係である。

「A、今日何時に帰んの」

『一応、部活が終わるまでいるつもりですけど…』

「ん」

女子部員が少ない我が部。

私はてっきり、学校が終われば速攻帰宅できるものだと思ってこの部活に入ったのに。
体験入部なんて必要ないだろうと入部届けを出してしまったのが幸か不幸か。
ヒチョル先輩と出会えたのだから幸でも、下校時刻30分前ではないと帰れないのは不幸だろう。

とりあえず、そんなイケメンな先輩は私に帰宅時間を尋ねると興味なさそうに本を読み始めた。
狭くはないこの部室には、入ってすぐソファが背を向けている。
そして机を挟んでその向かい側にもソファがあり、ソファたちの横側に本棚がある。

テレビもあり、机も大きく、映画やドラマのカセットもあり…と至れりつくせりな部室。
それを十分活用できているかは自信がない。

『…先輩はいつ帰るんですか？』

以前、「この棚の本は内容こそ覚えてないけれどすべて読み終わった」と話していた先輩。
気だるげにソファから私を見上げると、吐き捨てるように呟いた。

「お前が帰るまで」

そしてまた本に目を移すと、男性にしては長い髪を耳にかけて足を組み、集中し始める。

…私が帰るまでって。
べつに先輩は部長ではないのだから、私を待つ必要なんてないのに。

『……変な先輩』

「うるせえ」

『いたっ』

先輩の隣に沈み込んでそう呟けば、先輩に蹴られた。
本当、イケメンなのに変な先輩。