全てを捧げる ページ44
エマside
イクミ様のお側について1ヶ月...決して楽ではなかった
周囲の私に対する当たりは強く、厳しいものだった。でもそれは当たり前の事だ。
私は王女を殺 そうとしたのだから...今度こそ間違わない。王女を守って見せる
「イクミ様!そんなに急がれては、危ないですよっ!」
オビ様からの言伝てを兵に聞き、杖をつきながらもやや小走りに庭園に向かうイクミ様に
私はヒヤヒヤさせられている
貴方 『大丈夫よ♪エマ!早く!』
嬉しそうに私を振り返りながら答えるイクミ様...またこんな風にお仕えする事が
出来ている今に、幸せを感じている
イクミ様に追い付き同じ速度で庭園まで向かう
オビ様の姿が見えたイクミ様は、さらに駆け足になった
貴方 『オビ! っぁ』
「イクミ様っ!」
オ 「っと...大丈夫かい?!そんなに急いじゃ危ないよ?エマの顔見てごらんよ...」
流石オビ様 階段の上から転げそうになったイクミ様を、瞬時に受け止めていた
「イクミ様!!あれほど危ないと申しましたのにっ!」
血の気が引いた顔をしていたのだろう...オビ様にも苦笑された
貴方 『ごめんなさい...』
ご自分でもビックリされたのか、シュン としながら謝っている
「大事にならなくて良かったです...私は戻りますね。オビ様宜しくお願いします」
オビ様の ”はいよ♪任せといて!” と言う言葉を聞きバトンタッチして戻る事にした
少し離れてから後ろを振り返る...二人は幸せそうに笑いながら話していた
イクミ様が、オビ様との婚約の話を ”まだ内緒よ?” とこっそり教えてくれた
私はあとどれくらい、イクミ様のお側に居られるだろうか...
後遺症もなくなりつつある...もうすぐお世話も必要なくなるだろうし、婚約・結婚と
なれば違う女中がお側につくことになるのだろう
せめて...その時が来るまでは、私の全てをかけてイクミ様の為に捧げよう
改めてそう心に誓いながら、イクミ様が戻ってすぐ飲めるようにお茶の準備に取りかかった
暫くしてイクミ様がオビ様と戻ってきた
貴方 『エマ!ただいま!3人でお茶しましょ♪話があるの!』
そう言ったイクミ様は、キラキラと輝いて見えた
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:193 | 作成日時:2023年5月2日 17時