赤髪の白雪姫オリジナルストーリー３ (ページ40)

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辛い真実ページ40

オビside

　『介助なら、エマがいるじゃない？オビ忙しいでしょ？』

　イクミ嬢の言葉に、部屋の空気が固まった

　主達と一緒の時がいいと思って、避けてきた事件の詳細を話す時が来てしまった...

ゼ「っ...イクミ落ち着いて聞いて欲しい...お前を毒で殺そうとしていたのは、エマだ」

貴方『え？』

　主の言葉に、イクミ嬢は驚き言葉を失った

　イクミ嬢の目から涙がボロボロと流れている...それを拭おうともせず、イクミ嬢は
　放心していた

　そんなイクミ嬢を見ていられず、俺は抱き締めた

　「イクミ嬢...」

貴方『っそんな！エマがっっ...嘘よっ何かの間違いでしょっ？会わせてっ！エマに！』

　俺は主に視線を向けた

ゼ「エマは、シエル侯爵と姉のレイナに唆されてお前に毒を盛ったんだ...」

貴方『シエル侯爵...レイナって...あの女中だった？』

　腕の中のイクミ嬢は、二人を思い出したのか体を少し強張らせた

ゼ「そうだ。城を出され逆恨みしたようだ...シエルも自身の地位を守る為だった」

　イクミ嬢は俺の腕から離れると、真っ直ぐ主を見つめこう言った

貴方『詳細は分かりました...ゼン兄様、エマに会わせてください』

　その目は赤くなっているものの、王女の目だった

　凛とした声と目に、主は笑みを溢し ”ﾌｯ分かった明日、場を設ける” と言った

　それを聞いたイクミ嬢の右手は、強く握られていた

　主達が出ていきイクミ嬢と二人になった...

貴方『オビ...エマは...私を恨んでた？』

　イクミ嬢の瞳が不安げに揺れていた

　俺は地下牢に閉じ込められていた、エマを思い出していた

　両膝を着き、地面に額を付けひたすらに謝っていたあの姿を...

　「いや...恨んでなかったよ。ただひたすら泣いて謝ってたかな...」

　俺がそう言うと ”そっか...” とイクミ嬢は言ったっきり黙ってしまった

貴方『オビ私のワガママ聞いてくれる？』

　反対されるかもしれない不安...しかし決して譲れない...そんな顔だった

　あぁ...血は繋がっていないのに何故か、主を思い出させた

　「あー...イクミが何を言おうとしてるか、何となく分かったかも...」

　主と兄殿下の不機嫌な顔が浮かぶよ...