長い眠りから ページ33
side無し
イザナと王女剥奪の話から半年が過ぎ、イクミが眠り始めてから８ヶ月経った...
オ 「イクミ嬢おはよう 朝だよ♪」
オビはいつものように、眠るイクミに話しかけながらカーテンと窓を開け空気を
入れ換えていた
窓の外を見つめるオビの耳に、僅かだが布の擦れる音が入ってきた
オ 「っっ！イクミ？」
オビはバッと振り向き、ベッドのイクミの顔を覗き込んだ
するとイクミの手が、ピクリ ピクリと動き...瞼が震えた
オビはイクミの手を優しく握り、声をかけた
オ 「イクミ...イクミ...起きて...」
オビの声に反応するかのように、イクミの目がゆっくりと開かれた
オ 「よかったっ...イクミっ やっと起きたっっ...」
涙を流しながら、ベッドに横になっているイクミの肩に顔を埋めた
イクミはゆっくり腕を上げ、オビの背に右手を置いた
貴方 『っめん...な...いっ』
長い間眠っていた為、声が出し辛く途切れ途切れになってしまっていた
ゆっくりとオビは離れ、イクミの顔を見つめた
お互い涙で顔を濡らしていたが、笑顔だった
オ 「イクミ寝過ぎだよ...でも起きてくれて良かった
俺、薬室に行ってくるよ。診てもらわないとだしね♪
主達にも報告してくる♪待っててね ﾁｭｯ」
頷くイクミの口に軽くキスをすると、部屋を出ていった
途中で兵に王子達に報告するよう頼み、オビは薬室に向かった
＊＊＊＊＊
イザナの部屋
イ 「そうか 起きたか...
ならば、例の話をしなければならんな...」
イザナの言葉に、同室していたハルカ候は表情を曇らせた
ハ 「本当に宜しかったのですか？イクミ様が目覚める前に決めてしまって...」
イ 「遅かれ早かれこうなっていた...あのままでは収拾がつかなかったんだ
イクミも分かってくれるさ
まぁ...オビには大分手をやいたな...最後は諦めて了承したがな」
イ 「王女と言う立場をあの子は...イクミはどう捉えていたのだろうな...
あの時、養子という判断が正しかったのかどうか...自信がないな」
(これから事件の顛末を聞き、イクミは傷つく事になるだろう..
あの子にそれが耐えられるだろうか..ゼンと同じように泣くだろうか...)
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作者名：193 | 作成日時：2023年5月2日 17時
