外道 ページ26
side無し
オビは城下街に来ていた。エマの情報を得るためだ
オ 「まずはエマを知ってる人を探さないとな...」
オビは古くからありそうな店を訪ね、店主の老婆に話しかけた
オ 「おばあさん少し聞きたい事があるんだけど、いいかい？」
老 「かまわないよ...なんだい？」
オビはエマの特徴や、今日の囮騒ぎの時の事を老婆に話した。すると思わぬ答えが
返ってきた
オ 「は？！姉が居るのかい？しかも、最近まで城に仕えてたって？それ本当かい？」
老 「嘘言ってどうなるのさ...まぁ姉の方は、不祥事を起こして城を追い出されたって
噂が広まってね...今じゃあまり良い扱いを受けてないようだかねー...」
オ 「その姉の名前、知ってたら教えて欲しいんだけど...」
オビは城へと物凄い早さで向かっていた
”城を追い出されてからは、王女の恨み事ばかり言ってたよ...誰も相手にしなかったがね。
名前は確か...〈レイナ〉 だったかねー”
オビの頭の中にあの”レイナ”の姿が思い出された
俺に思いをよせ、イクミに嫉妬し辛く当たり、傷つけたあの女中の姿が...
オ 「くそっ」
＊＊＊＊＊
イザナの部屋
イ 「ハルカ候それは真か？あのシエル家が絡んでいると？」
ハ 「はい！城の女中にと後押ししたのは、さほど権力は持たない伯爵家でしたが、その
伯爵に指示したのが...」
イ 「シエル侯爵 と言うわけか...懲りずにまた手を出してくるとはな」
その場の凍りつくような空気に、ハルカ候の背中を汗が伝った
イ 「まぁ現に、思い通りに事が進んだわけだ...ハルカ候その使われた伯爵を監視下に置け
間違っても、シエル家に始末される事のないようにしろ。自分に不利になる存在は
消しにかかってくるだろう。重要な証人だ 頼んだぞ」
ハルカ侯爵が部屋を出ていった後、イザナは鋭い視線を窓の外へ向けた
イ 「そこに居るんだろう？オビ」
ｶﾀﾝ
オ 「流石イザナ殿下♪...報告しても？」
城下で掴んだ情報をイザナに話したオビ
それを聞きイザナはさらに目を鋭く光らせた
イ 「揃いも揃って...外道がっ」
オビでもゾクッとするほどの殺 気がイザナから放たれた
イ 「オビ───...」
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作者名：193 | 作成日時：2023年5月2日 17時
