リュウ ページ25
side無し
イクミの部屋では、忙しなく人が動き回っていた
次々に器具などが運び込まれ、みるみる薬室へと変貌を遂げていった
そんな中ゼン達が戻ってきた
ゼ 「これは凄いな...ガラク薬室長イクミの容態はどうだ？」
ガ 「ゼン殿下...王女は以前にも薬を盛られ、中毒症状を起こした事があったのを覚えて
おられますか？ あの時よりも桁違いに深刻です...」
ゼン達の表情が固くなる
ガ 「今回よりも軽い中毒症状だったにもかかわらず、前回は心停止に至っているんです...
今回はそうならないとは言いきれない。むしろ今回の方がその可能性が高い...
一刻も早く、毒の種類を特定して解毒しないと危険です」
ゼ 「そうか...ガラク薬室長...イクミを頼む」
ゼンは頭を下げた
ガ 「頭をおあげください。もちろん最善を尽くします...それにお忘れですか？
うちにはリュウって言う毒のスペシャリストが要るんですよ？」
そう言ってガラクはウィンクして見せた
ゼ 「そういえば、毒の研究をしていて怖がられていた事もあったな...
ははっ 頼もしい最小年宮廷薬剤師殿に託そう」
＊＊＊＊＊
リュウside
あれらの症状を引き起こす毒は多い...もっと何か手がかりがあればっ！
エマさんが来てから、１ヶ月以上たつ...いくら毒に耐性があったとは言え
症状が出るまでの時間が長すぎる
耐性の他に、毒の効果を遅らせる要因があったとしたら？
考えろ！考えるんだ！オビさんの話では、毎回お茶に混ぜてたって言ってたっけ...
あれ？たまにオビさんが王女に、疲れに効く薬膳茶を持っていってたような...
っっ！それだ！その時に使った薬草が作用して、毒の効果を半減させてたんじゃっ？！
王女に使用する物は全てちゃんと記録してたはず！
俺はここ１ヶ月の記録を読み漁った
「これだ！！毎回このブシが使われてる！これが効いているんなら、毒はブシに関係が
あるものだ...これなら何とかなる！！」
俺はある程度の毒の種類を特定した為、効果のあったブシを中心に解毒剤と炎症止めなど
を作り急いで王女の部屋へと向かった
間に合え！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：193 | 作成日時：2023年5月2日 17時
