閃光花火【爆豪勝己】【超短編】 (ページ15)

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Aが教室から消えたその日以来、Aが学校に来ることは1度もなかった。

初めて、誰かに会いたいと本気で思った。

初めて、誰かの無事を心の底から願った。

初めて、誰か一人のために泣いた。

何も無いと分かっていても、毎晩倉庫に行ってみる癖がついた。

寮からも学校からも姿を消したAの事を、周りの奴らはだんだん気にしなくなっていく様だった。

でも俺はそれを憎いとは思わなかった。

むしろ、俺だけが求めてる、俺だけがAの存在を切望している、と思った方が、Aと近くにいられる気がして気が楽になるくらいだった。

さらに時間は流れた。

俺は雄英高校を卒業した。

＿ほんの僅かな期待を抱いていたが、やっぱりAは卒業式にも来なかった。

この頃には、もうクラスの奴らはAのことを気にしてなかった。

それぞれ、自分の進む将来のことや、離れ離れになるダチのこと、そんなことしか考えてなかったんだろう。

俺は高校を卒業して、研修やらなんやらを終えて、そのうちヒーローになる。

その未来のどこかに、Aは居るのか？

俺は答えを知らなかった。
情けねぇな、と思ったが何も出来なかった。

そう思い続けているうちに、毎日は過ぎて行った。