閃光花火【爆豪勝己】【超短編】 (ページ13)

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しばらくは平穏に時が流れた。

俺もAもやがて進路を決めなければならなくなり、一緒に過ごす時間は少し減っていた。

だが、毎日の夜、倉庫で過ごす時間だけは決して変わらなかった。

あの時変な質問をされて以来、同じことを聞かれたことは無かった。
多分聞いた本人も忘れてるのかもしれねぇ。

そう、Aと付き合ってから初めて知ったことだが、Aは物凄く深い思考力を持っているように見せかけて(というか実際持ってるんだが)、何も考えてないことも多い。

そんな、普段誰にも見せない『隙』を俺に見せてくれることが嬉しかった。

3年生になった。

相変わらず誰にも知られないまま、俺たちの関係は続いていた。

その時点では、これからも続いていくはずだった。

俺達を引き裂く出来事は、進路関係でお互い忙しくなり始めた夏休みに起こった。

夏休み中も登校日があるから、時々学校に行く。

だが、7月下旬のある登校日、普段滅多に欠席しないAが欠席していた。

そん時の俺は、「あいつが休むなんて珍しいな」程度にしか思っていなかったんだ。

＿この日を境に、何年もAを見失うなんて知らなかったんだ。