閃光花火【爆豪勝己】【超短編】 (ページ11)

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#11 ページ11

付き合い始めて5ヶ月後くらいが、Aの誕生日だった。

俺たちは、その日初めてキスをした。

俺がAに誕生日プレゼントを渡して、サプライズでキスしてやろうと思って、目を閉じろと命じた。

Aは素直に目を閉じて、俺はAの頭を腕で抱えるようにして、そのままキスをした。

Aには戸惑った様子も嫌がる様子も無かった。

ただ、俺の背中に回された手が少し震えているように感じた。
ほんの少しだけだったけどな。

やがて体を離すと、Aの頬は少し赤かった。

「勝己」

「なんだ」

「好きだよ」

「知ってる」

「そういうとこも好き」

「……さんきゅ」

あぁ、いつもいつも俺はこの人の前では尖ることが出来ない。
Aが何かをするわけでは全くないのに、俺は反論する力を失う。

でも、その感覚が嫌じゃない。

結局の所、これが本当に心からの初恋だった。
初恋に限らず、これからも永遠に最高の恋なんだろう。