第53話【仕返し】 ページ5
「さっきの仕返し」
「
ニヤッと人使くんはイタズラっぽく笑う。
「反省してんの？」
「
「よろしい」
人使くんはフッと目を細めて笑う。その目は、どこかを見守るような優しい優しい目だった。
「明日からあの地獄の訓練か……」
「まぁ、初心者にはちょっとキツいかもね」
「『ちょっと』じゃなくて『だいぶ』キツいんだけど」
「んー……そうかなぁ」
「俺はAみたいに体力は無い」
「私だって柱に比べたらまだまだだよ」
「アレはまた格別だろ」
柱は剣術、体力──何においても神の領域なのだ。だからこそ、隊士達から柱と崇められるのだろう。
「……俺さ、不安でしょうがねぇんだ」
「不安……？」
「………またあの訓練を投げ出しそうで怖いんだよ」
「……そんな事、言っちゃダメ」
「産屋敷さんにも無理って言われたんだ。無理なもんは、無理」
ネガディブモードが発動してしまった。どうして人使くんがお館様の存在や限られた人しか知らない鬼殺隊の事を知っていたのには理由があった。
小学一年の時、お館様に無個性や体に関係ない個性を持つ人がいたら、是非連れてきてほしいと言われた。ちょうどその時辺りから人使くんと仲良くなっていたので彼を連れてきたのだ。
しかし彼は驚くほど体力が無かった。そしてお館様も、さすがにやばいと思ったのかハッキリ無理だと言った。
「確かにお館様には無理だと言ってたね」
「そうだろ、だから」
「でも諦めるの？」
「っ………」
言葉を詰まらせたのか、押し黙ってしまった。チャンスだと思い、私は続ける。
「確かにお館様の勘は本当に当たる。けれど、全てが百発百中ってわけじゃない」
「……」
「一緒に頑張ろう？相澤先生にも直談判したんじゃないの？」
瞳を大きく見開く。やっぱり、そうだったんだ。
「ありがと」
「え？」
「励ましてくれたら、なんか元気出てきた」
彼はカバンを持って立ち上がると、私の手を引いて立ち上がらせる。
「お前にはいつも、助けられてばっかりだな」
「……私だって、いつも助けられてるよ」
小学生の時、私はいつもイジメられてた。けどいつも貴方が助けてくれた。
助けられてばっかりなのは、私の方だよ。
「ちょっと寄り道して帰ろう。時間ある？」
「あるよ。明日必要な物買ってく？」
「そうする」
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
