第86話【恋心はフクザツ】 ページ38
「地獄湯？」
「男湯と女湯の間に？」
地獄湯、と聞くと釜で鬼がグツグツ熱湯を沸かして地獄に落ちた人間を釜に放り投げるイメージがある。
「何でも、新しく隣接されたそうです。なので覗きの心配はご無用ですよ」
「良かったぁー！！」
「峰田ちゃんてば、今頃ガッカリしてるんじゃない？」
「その心配はご無用やよ、梅雨ちゃん！」
ビシ！と人差し指を立てて叫ぶ。「どうしてなの？お茶子ちゃん」と梅雨ちゃんの大きな瞳が私を見つめて、首を傾げた。
「竈門くんとの鬼ごっこで息絶えてたし、多分お風呂で気絶してると思うんよ」
「ニコニコ笑いながらやってたけど、結構容赦ないわよね、竈門ちゃん」
するといきなり、胡蝶さんがカナヲちゃんに向かってうふふと笑った。
(そっか、カナヲちゃんって竈門くんと……)
「最近どうなんですか？炭治郎くんとは」
「……どう、とはどういう事ですか？」
「お付き合いして間もないんでしょう？」
「………あの、私、まだ、」
「……えっ？」
「炭治郎とは……付き合って、ません」
「まだなんですか！？」
(うっそ、カナヲちゃんと竈門くんって付き合ってなかったの！？)
どう見ても付き合っていると信じていた私。それは他の子も同じだったようで。
「え！？付き合ってないの！？」
「えぇ〜！マジで？！」
「ウチ、てっきり付き合ってるのかとばっかり……」
「私もですわ」
「ん」
でも、近いうちに絶対付き合う事になるよね。そんで結婚したら『竈門カナヲ』になるんだよねぇ。
(……あれ、て事は私とデクくんが結婚したら………緑谷お茶子か。そ、そんなに悪くないな……って！！)
なんで私とデクくんが結婚する前提なん！？お、おかしいって！！
「どうしたのお茶子ちゃん」
「ははーん、さては緑谷の事だな？」
「ち、違うって！」
「ねーねー、恋バナもいいけどさ、後で部屋でしよーよ！男子達に聞かれたらマズイって！」
「それもそうですね」
よ、良かった……。でも後で話す羽目になるからなんかフクザツ。肩までお湯に浸かり、口で泡をぶくぶくと作る。
デクくんとは、そういうんとちゃうって思っても、目が合う度にキュンってなったり、緊張して上手く話せない時がある。
(恋って、こういうもんなんかな)
「……それにしても、Aちゃん遅いわねぇ。須磨ちゃん知ってる？」
「さっきトイレに行くと言ってましたよ」
Aちゃん遅いな……何してるんやろ。
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
