第72話【おにぎりどうぞ】 ページ24
彼女はそう言って宿の方へ走っていった。あんなに走ったのにまだ体力があるのか。少なくともA組B組の中で一番の体力王はAさんだという事が判明した。
「……あ、あの！」
「ん？」
そこには三つ編みの女の子、黒髪ボブの女の子、おさげに結んだ女の子の合計三人が立っていた。
「音柱様からの差し入れです。あんぱんどうぞ」
「おにぎりどうぞ」
「からから煎餅どうぞ」
「……ありがとうね」
麗日さんが三人の頭を撫でながらお礼を言うと三人はパァッと顔を輝かせた。
音柱……誰なんだろ。ちょうどお腹もすいていたし、すごく有難い。有難く頂戴します。心の中で感謝を述べておにぎりを口に運んだ。
＊＊＊
「瓢箪を呼吸だけで割るゥ？」
「いやいや、そんな事ムリでしょ」
「呼吸だって、今やってるじゃねぇか」
すみちゃん、なほちゃん、きよちゃんがB組に全集中・常中の呼吸を説明しているらしい。けれど信用する感じは全く感じない。
「ホントなんです〜！」
「信じてください……」
「無理だね。だって証拠も無いのに信じるなんて到底できない」
物間くんが瓢箪に入った水をがぶ飲みする。先程の発言により瀬呂くん、切島くん、上鳴くんがかっちゃんの方を見てニヤニヤ笑った。
「何笑ってんだテメェらゴラァ！！」
「あれれれぇぇ！？A組って何にもしてないのに怒鳴るのぉ！？え、フツーにヤバくない？！！」
これ幸いと見た物間くんはかっちゃんを煽る。「ぶっ殺されてぇのか……」とかっちゃんはビキビキと青筋を立てて物間くんに立ちはだかった。
(さっきまでぶっ倒れてたのに、どこにそんな怒る気力が……)
「見て伊之助、私このサイズの瓢箪割らせれるようになった」
「嘘つきやがれ、ホラ吹き！！」
「誰がホラ吹きだ！！」
どうやら向こうでは百五十周を走り終えたらしい嘴平くんとAさんが何やら言い合いをしていた。
瓢箪のサイズは110cmほど。Aさんは瓢箪を口にくわえてヒュウウウウウと大きく息を吹き込む。さすがにあの小さい瓢箪からかなりグレードアップしたのだ。顔が真っ赤になっている。
「っ………！」
パァァァァンと爆発音並みの音を立てて瓢箪は破裂した。ちなみにあれだけ馬鹿にしていた物間くんは驚きのあまり、飲んでいた瓢箪をカシャンと音を立てて地面に落とした。
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
