第60話【体調不良】 ページ12
「な、なんだこの頭痛は……」
「……A、体育館で何やってんだ」
「歓迎会です。行かない方がいいですよ」
「だろうな」
お館様との話を終えたらしい相澤先生とブラド先生は私達が今居るグラウンドに来た。このグラウンドもこの日のためにわざわざ作ったんだとか。
「カナヲ、一緒に様子見に行かない？」
「うん。あの人達、生きてるかな」
「タフネスだから大丈夫でしょ。知らないけど」
「知らないのかよ……」
「玄弥、世の中には知らないけどって言っておけば何とかなるんだよ」
「上手いこと言ったつもりで言うな」
＊＊＊
「よもや……」
「タイトル付けるなら地獄絵図ですね」
「言ってる場合か胡蝶」
案の定、みんなは蹲っていた。そんな中、冨岡さんだけは一人涙を流して四人に拍手を送っていた。しのぶさんの言った通り、本当に耳の検査をした方がいいと思う。
「皆さん……出し終わりましたわ………」
八百万が個性を使ってバケツを出し、配り終えると皆が吐き始めた。なんつー絵面だ。
「……もぐもぐタイムならぬゲロゲロタイム」
「やかましいわァ」
「誰が上手いことを言えと……」
だってクラスメイトが一斉に吐いてるんだよ。咄嗟に思い浮かんだんだもん。あの神経逆撫でヴォイスを聞いて吐かない人は冨岡さんくらいだと思う。
「どうでしたか義勇さん！」
「良かったぞ」
「今回もド派手だったな！！」
「紋逸、なんでコイツら吐いてんだ」
「俺らの歌聞いたら全員こうなるんだよね。え、なんで？」
え、なんでそんな考えに至るの？
この場にいる全員がそう思っただろう。メジャーデビューなんて夢の夢の夢の夢の夢のまた夢でしょ。
「な、なんだあの歌………」
「うえぇぇぇぇ………」
「ゲホッゴホッ……うﾞっ、ヤバイ、また………」
これから訓練するというのにこんな状態で大丈夫か。するとしのぶさんがいつの間にか手にお茶を持っていた。
「皆さん、このお茶を飲んでください。少し苦いですが我慢してくださいね」
ササッと全員に手渡すとバケツから顔を出してお茶を飲み始めた。「苦っ……」や「うﾞうﾞっ……」などの嗚咽めいた声しか出ない。
「……あ、ちょっとマシになってきたかも」
「ありがとうございます！」
「あざス！！」
さ、さすが薬学を研究してるだけはあるなぁ……。
「んじゃあ、次は煉獄にバトンタッチだな」
「うむ！よろしく頼むぞ！！」
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
