第50話【迫力満点】 ページ2
みんながブーブー文句を言う中、「じゃあテメェは出来んのか」とかっちゃんが教壇に立つAさんに言い放った。
「出来るに決まってるじゃない」
「で、そのショーコは？」
Aさんは待ってましたと言わんばかりに小さな瓢箪を取り出した。
「……全集中・常中の呼吸を取得するとこの硬い瓢箪も、簡単に破裂させる事が出来ます」
そう言って彼女はコンコンッと指の関節で小突いた。ペットボトルで言えば500mlくらいの大きさだった。
(呼吸だけで破裂って……そんな事、できるのか？)
「緑谷くん、ちょっと前に来てくれる？」
「へぁっ！？」
いきなり呼ばれ、ちょいちょいと手招きされて、僕は教壇の上に立つ。
「この瓢箪、触ってみてくれない？……ほら、疑われないようにさ」
ヒソヒソッと耳元で囁かれる。
……あぁ、そういう事か。彼女は僕に瓢箪を触らせて、コレが本物の瓢箪だという事を僕に証明させてほしいんだ。
僕は皆に見せるようにコンコンッとつつくと、Aさんに返した。
「……」
Aさんは瓢箪を口にくわえ、ヒュウッと軽く息を吹き込む。瓢箪はパァンと音を立てて破裂した。
「全集中・常中の呼吸を取得すればこのように瓢箪を木っ端微塵にする事が出来ます。緑谷くんゴメンね。すぐ近くにいたから、ビックリしたよね。本当にゴメン」
口を開けて変な顔になっているのは自分でも分かる。それは大きな音にビックリしたんじゃなくて、本当に呼吸だけで瓢箪を破裂させたAさんに驚いているのだ。
「ほ、ホントに呼吸だけで割った……」
「化け物かよ……」
「すごい……」
割れた瓢箪の破片を拾って、コンコンッとまた小突いた。
「よし、じゃあやろう」
「出来るか！！！」
クラス一同がツッコんだ。
「は？この
「ううん、絶対出来る」
「こんなの出来っこないよ……」
「これは誰でも取得できる技だよ」
「ただしやる気があればの話だけどね」と人差し指を口元に当ててニヤリと笑った。
「俺だって漢だけどさ、やる気がありゃいいってもんじゃねぇんだよ」
「そーそー。それにAは鬼斬ってんだからそれくらい出来るんだろ？」
切島くんと上鳴くんが皮肉を込めてAさんに言った。普段なら「はぁ！？」と言い返すが意外にも冷静だった。
「……あのさ、みんな出来ない出来ない言うけどさ、まだやっても無いくせに言っちゃおしまいでしょ」
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
