第55話【キャラメル】 ページ7
大型バスは音を立てて出発した。私の隣には、轟くんが座っている。
(なんで隣……？)
そう聞きたいが「勘違いするな、空いてたからだ」って言いそうなのでやめておこう。ツンデレかよ。
「と、轟くん」
「なんだ」
「キャラメル……いる？」
前の短期入院の時になほちゃん、すみちゃん、きよちゃんから頂いたキャラメルである。
「いる」
「……え、」
今、『いる』っつった？………え、マジ？
私のこと散々、男扱いした轟くんが『いる』ってぇ？
「おい」
「へ？」
「くれるんじゃねぇのか」
「……うん」
脱力したように返事すると銀色の包み紙に包まれたキャラメルを差し出した。
「なあ、もし良かったらそれ、」
「──オイ、クソ無個性女ァ！！」
後ろの席に座っていた爆豪くんが私と轟くんの間に乱入してくる。「よォ、ブス」と爆豪くんの隣に座っていた切島くんも乱入してきた。
「な、何」
「キャラメル」
「え？」
「寄こしやがれ」
「あ、はい……」
「俺も頼むわ」
何故かキャラメルをねだられた。そんなにキャラメル食べたかったのか。
「どうぞ」
「あ、ババ……A！俺にもくれ！」
「ババアとか抜かしてる上鳴くんにはあげません」
「ウソウソ！！ウソだから！」
「ブス、俺もくれ」
「……前に座ってる二人にはあげません」
「だからウソだって！」と弁解する二人に渋々キャラメルを渡す。たかがキャラメルと思うかもしれないが、なほちゃん、すみちゃん、きよちゃんから貰ったのだ。出来ることならあんまりあげたくない。
まあ、「キャラメルいる？」と言ったのは私だけど。ありがとうと心の中で感謝しつつ、チラリと箱の裏側を見た。
「……！」
『Aさんへ。あまり無茶をしないでください。私達はいつも応援してます。これからも頑張ってください！きよ、すみ、なほより』
帰ったらこの箱、机に飾ろう。確か今回の合同合宿に彼女達もお世話役として参加してるはずだから、宿先に着いたら真っ先にお礼を言わなくちゃ。
「……何ニヤニヤしてんだ、テメェ」
「いや、気持ち悪」
「キャラメルの箱見てニヤつくヤツ初めて見たわ」
「普通にキモ」
「………頭、大丈夫か？」
お前らの頭の方が大丈夫か？
そう言いたかったが先程のメッセージを見返して怒りを我慢した。というかさっき轟くん何か言いかけてたけど、なんだったんだろ。
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蛇口 - 更新どちゃくそうれしいですー！ぼくも玄弥オチ楽しみにしてます()これからも頑張ってくださいー、待ってますー (2021年4月17日 22時) (
レス) id: fc73c69302 (このIDを非表示/違反報告)
如月 - めちゃくちゃ面白かったです！！これからも頑張ってくださいーー!!!!応援してます！！！！ (2021年4月14日 0時) (レス) id: 5235c5d393 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ - 更新ありがとうございます！！ (2021年1月25日 19時) (レス) id: 63e081f941 (このIDを非表示/違反報告)
渡辺綱推しです - 更新ありがとうございまあぁぁぁぁす！ずっと楽しみにしていました！ (2020年12月22日 18時) (レス) id: 2597573cb3 (このIDを非表示/違反報告)
蛇口 - わー！更新あざす！ずっと待ってましたー！嬉しいいいいいいいっ (2020年11月22日 11時) (レス) id: e2c2da130b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2020年1月24日 21時
