第38話【贈り物】 ページ39
「ずっと気になってたんだけどさ」
「あ？なんだよ」
コンビニであるだけあった肉まんを買い占めるという、まぁまぁサイテーな行為をしてしまった。コンビニの店員さんや肉まんを買いに来たお客さんに心の中で謝りつつ、ずっと気になっていた事を口に出した。
「伊之助って、私の名前は間違えないんだね」
「……前から知ってるし。それと、お前の名前は覚えやすい」
覚えやすいんかい。前からの『前』というのは前世のことだろう。そういや、しのぶさんの事もしのぶって呼び捨てで呼んでたっけ。
「カレーまん美味っ」
「なんだそれ！！」
「大声出さないでよ……」
ちなみにどこで食べているかというと、コンビニの前で立って食べてます、はい。肉まんを買いに来たのはいいけど一個も無くて帰っていく人の目が痛いのなんの。
「──A」
「なんだ」
「これ、やる」
ズボンのポケットから取り出したのは、ピカピカのどんぐり。一つ、二つ、三つ、四つ………十個のピカピカのどんぐりが私の手のひらに転がった。
「山から取ってきたの？」
「おう」
「わざわざ？」
「おう」
「……ありがとう」
お礼を述べると伊之助の周りにホワホワしたものが飛んでいる。何これ、蛍？
「ほ、ホワホワさせんじゃねえ！！」
「ご……ごめんなさい？」
なんかよく分からないので一応謝っておいた。
「お前ついてんぞ」
「何が？」
「肉」
「マジか、どっち？」
わたしがそう言うと伊之助は私の口端をペロリと舐めた。
「………何してんの！？」
「両手塞がってんたんだよ」
ほら、と見せる伊之助の右手にはピザまん、左手には大量に入った肉まんのコンビニ袋。手で取れや馬鹿。
『あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！！』
向こうで汚い高音が響き渡った。誰だよ、善逸じゃないんだから。
「なんださっきの声」
「さあ？」
「お前の食ってるやつ、美味いのか！？」
「……うん、美味いよ」
「くれ！！」
食べているカレーまんをキラキラした瞳で見つめ、思いきりかぶりついた。伊之助が持ってる袋の中にもあるのに。
「いつ治るんだよ」
「一週間後ぐらい？」
「……終わったら、」
「ん？」
「焼肉、行きたい」
私の顔をジッと見つめて誘ってきた。焼肉ね……いいかも。
「皆誘って行こっか」
「……りで、」
「え？」
「二人で行く」
そう言って肉まんをガツガツ食べた。
……なんで、二人？ま、いいけどさ。
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ぴーす。(プロフ) - すいません！鬼ごっこの話なんですけど、夢主ちゃんが鬼だったら、皆を追いかける側じゃないんですか？多分、話の内容的には夢主ちゃんが逃げで皆が鬼だと思います！ (5月25日 17時) (
レス) @page11 id: 93d57c8cdc (このIDを非表示/違反報告)
ここぴ - セバスチャンは笑いましたw 応援してます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 9f9f73557c (このIDを非表示/違反報告)
ばなな味のあくえりあす - 珠世さんが鬼になって二百年ほどで愈史郎を作る、戦国の時代の縁壱が生きていたのが約三百年前なので約百年は違うんじゃないでしょうか? (2020年5月6日 21時) (レス) id: a72f134362 (このIDを非表示/違反報告)
チャケマン - あの46話の悲鳴嶼さんって手紙を読めるんでしょうか？ (2020年4月1日 19時) (レス) id: de774af347 (このIDを非表示/違反報告)
こーちゃ - ハーレムがヤバいです(語彙力がw) (2020年3月4日 17時) (レス) id: d7ebd024c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：音海 | 作成日時：2019年12月28日 15時
