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また月日がたちます。
◇
すると樹は次第に悪い方向へ育ちました。
まず最初、白く可愛らしい花が咲きました。
これを喜んで水をやっていたRiihは、
果実の姿を楽しみにして床につきました。
すれば起きてくると、花に黒点が。
その黒点が何なのか初め、
はっきりしなかったものの、
それがスズメバチの集まりということは
嫌でも分かってしまいました。
厄を追い払うと、また一日終わる。
そして次は瓢天、粘り、色……
樹は害悪なものだと言うことが
段々他の神様も覚えてしまっていたのでした。
今やRiihの庭に楽しんでくるのは、
phastだけになりました。
ここまで追い詰められても、
Riihは頑なに樹を伐ろうとはしませんでした。
自分の庭に生える雑草さえいとおしいのに、
彼が樹を伐ろうとは酷なことです。
それでも庭の樹の所有権はRiihにあります。
樹を煙たがって文句、恨み言を送られて、
それでも絶対に斧なんて持ちたくありません。
ずっと樹下で泣き晴らしていましたから。
◇
そしてまた日付が変わると、
樹は倒されてしまいました。
原因は分かんないのにどうしてなのか、
皆目検討つきっこありません。
ただ、切り株も何も無くなっていました。
彼は優に1ガロンの涙を伝わせて、
ずっと樹があった場所に居座りました。
おしまい。
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作者名:Patricia | 作成日時:2018年5月12日 20時